演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

CapecitabineまたはXELOX療法による高アンモニア血症の検討

演題番号 : P51-15

[筆頭演者]
阿部 一仁:1 
[共同演者]
柏木 秀幸:2、梶本 徹也:2、良元 和久:2、小山 友己:2、共田 光裕:2、村松 由貴子:3

1:富士市立中央病院 薬剤科、2:富士市立中央病院 外科、3:富士市立中央病院 看護部

 

【はじめに】最近、5-FUによる高アンモニア血症が複数報告されている。特に、FOLFOX,FOLFIRI療法での高アンモニア血症の報告例が大多数を占めている。しかし、5-FUのプロドラッグであるCapecitabineまたはXELOX療法での高アンモニア血症の報告は少ない。今回当院でも3症例でmFOLFOX6療法に伴う高アンモニア血症を経験し、1症例をCapecitabineに、2症例をXELOX療法に変更し高アンモニア血症を発現することなく治療を終了することができたので、文献的考察を加え報告する。【症例】症例1:60歳代男性。上行結腸癌(Stage3b)により右半結腸切除術施行後、術後補助化学療法mFOLFOX6療法を導入となった。4コース目施行中、投与開始から3日目(約40時間後)の持続静注5-FU投与中に高アンモニア血症(NH3値:299μg/dL)による意識障害を生じた。その後回復しCapecitabine(B法)に変更し、NH3値の上昇なく治療終了となった。症例2:80歳代男性。上行結腸癌(Stage3a)により右半結腸切除術施行後、術後補助化学療法mFOLFOX6療法を導入となった。1コース目施行中、投与開始から3日目(約37時間後)の持続静注5-FU投与中に高アンモニア血症(NH3値:182μg/dL)による意識障害を生じた。その後回復しXELOX療法に変更し、NH3値の上昇なく治療を終了となった。症例3:60歳代男性。盲腸癌(Stage3b)により右半結腸切除術施行後、術後補助化学療法mFOLFOX6療法を導入となった。1コース目施行中、投与開始から3日目(約42時間後)の持続静注5-FU投与中に高アンモニア血症(NH3値:301μg/dL)による意識障害を生じた。その後回復しXELOX療法に変更し、NH3値の上昇なく治療終了となった。【考察】FOLFOX,FOLFIRI療法の持続静注5-FUは肝臓にてDehydro-pyrimididaseによりfluoroacetateに代謝され、この代謝産物が高アンモニア血症を誘発すると考えられている。一方、5-FUのプロドラッグであるCapecitabineは5-FUと比較して腫瘍選択性が高く、腫瘍組織にて5-FUに変換されるため、持続5-FUとは異なり、肝臓での急激な5-FU代謝が起こらず高アンモニア血症を発現しにくいと考える。よって、FOLFOX療法にて高アンモニア血症を発現した症例では、Capecitabine またはXELOX療法に変更することで、高アンモニア血症の発現リスクを抑制できると考える。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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