演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行下部直腸癌症例に対する術前・術後補助化学療法の現状

演題番号 : P51-3

[筆頭演者]
西 将康:1 
[共同演者]
山下 公大:1、角 泰雄:1、金光 聖哲:1、山本 将士:1、今西 達也:1、中村 哲:1、鈴木 知志:1、田中 賢一:1、掛地 吉弘:1

1:神戸大院医 食道胃腸外科

 

【はじめに】局所進行下部直腸癌に対し局所制御と予後改善を目指して術前化学放射線療法(chemoradiotherapy;CRT)を施行している。NCCNガイドラインでは、その効果に関わらず、術後補助化学療法を推奨しているが、当院でも施行することを原則としている。CRT後の下部直腸癌症例に対する当院における術後補助化学療法の現状と問題点について検討を行う。【方法】2005年4月から2013年3月の8年間に当院にてCRT後手術を施行した下部直腸癌症例31例を対象として、術後補助化学療法の導入率、導入までの期間を検討した。【結果】現在の治療成績は5年全生存率90.3%(平均観察期間36.1ヶ月)、局所再発率9.67%、遠隔転移16.1%と良好なる成績を得ている。術後補助化学療法を施行した症例は64.5%(20/31)と導入率が低く、術後導入までの期間は69日とやや長期間に及んだ。施行しなかった理由としては、患者本人の拒否:27.2%(3/11)、合併症のため施行・継続が困難であると判断された症例:72.7%(7/11)が挙げられた。このため、術後合併症のClavien-Dindo 分類 grade I以下 :92.3 %,grade II以上:43.8%(p=0.006)と有意差を認めた。一方で、手術術式別の導入率は、腹会陰式直腸切断術:60.8% ,肛門温存手術:75%、アプローチ法でも開腹手術:66.7%,腹腔鏡手術:57.1%でいずれも有意差は認めなかった。【考察】進行下部直腸癌における術前CRTは有用であるが、予後改善のためには術後補助化学療法に必須であると考える。術後補助化学療法の導入率、導入までの期間がやや不良であった。術後合併症の有無により、導入率と期間の違いが大きい傾向にあった。術前療法及び拡大手術の侵襲があり、術後補助化学療法の開始を困難にし、拒否症例を生み出している可能性が高い。今後の課題として、腹腔鏡手術の導入による低侵襲化と合併症軽減のための工夫を行うことであると考える。患者QOLだけでなく、予後にも影響する可能性があり、今後も検討を重ね、直腸癌治療成績の改善につとめたい。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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