演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科における大腸癌肺転移症例の検討

演題番号 : P50-10

[筆頭演者]
青木 順:1 
[共同演者]
岡澤 裕:1、高橋 里奈:1、水越 幸輔:1、宗像 慎也:1、石山 隼:1、杉本 起一:1、神山 博彦:1、小見山 博光:1、柳沼 行宏:1、小島 豊:1、田中 真伸:1、五藤 倫敏:1、冨木 裕一:1、坂本 一博:1

1:順天堂大 下部消化管外科

 

【目的】大腸癌肺転移に対する切除後の5年生存率は30〜40%と、肝転移とほぼ同等とされ、切除できた症例では比較的良好な予後が得られることもある。しかし、同時性・異時性を問わず、肺転移診断時には切除不能な他臓器転移を認め、切除の適応とならないことも多い。今回、我々は大腸癌肺転移の予後因子について検討した。【対象】2000年から2008年の過去8年間に、原発巣切除を施行した同時性および異時性肺転移89例を対象とした。手術施行時に肺転移を認めたものを同時性、それ以降に肺転移が診断されたものを異時性とした。【方法】同時性および異時性の肺転移89例における長期成績の予後因子について、累積生存率を指標に検討を行った。検討項目は、年齢(75歳以上 / 未満)、性別、原発巣の占居部位(C-RS / Ra,Rb)、組織型(tub1, 2 / others)、深達度(SM,MP,SS,A / SE,SI,AI)、リンパ管侵襲(ly0,1 / 2,3)、静脈侵襲(v0,1 / 2,3)、術前CEA 値、リンパ節転移分類(N0,1 / N2,3)、肺転移切除の有無、肺転移診断時の肺外転移の有無とした。有意差検定は、Kaplan-Meier法、Cox's比例ハザードモデルを用いた。【結果】同時性肺転移は28例(切除:5例,非切除:23例)であった。また、異時性肺転移は61例(切除:16例,非切除:45例)であった。異時性肺転移において、各臨床病理学的因子による累積生存率の比較で有意差を認めた項目は、肺転移切除(P<0.0001)、年齢(P=0.016)、原発巣の占居部位(P=0.027)、深達度(P=0.013)、静脈侵襲(P=0.015)および肺外転移(P=0.0008)であった。これら6項目の臨床病理学的因子を共変量として多変量解析を行った。その結果、肺転移切除(P=0.0016,HR=3.38)のみが独立した因子として選択された。肺転移切除例の術後生存期間は中央値72.3か月、非切除例は中央値34.5か月であった。また、同時性肺転移においても同様に比較し、有意差を認めた項目は年齢(P=0.019)、組織型(P=0.015)、リンパ管侵襲(P=0.043)およびリンパ節転移分類(P=0.027)であった。これら4項目の臨床病理学的因子を共変量として多変量解析を行ったが、独立した因子として選択された項目はなかった。【結語】異時性肺転移において、肺転移切除の有無が独立した予後因子として選択され、肺切除が可能な症例における予後は比較的良好であった。同時性肺転移では、さらに症例を蓄積し再検討することが必要と考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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