演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

直腸癌手術に併施した一時的回腸瘻による合併症の検討

演題番号 : P50-8

[筆頭演者]
大垣 吉平:1 
[共同演者]
上江洌 一平:1、藤家 雅志:1、前原 伸一郎:1、江頭 明典:1、根東 順子:1、山本 学:1、南 一仁:1、池田 泰治:1、坂口 善久:1、藤 也寸志:1、岡村 健:1

1:九州がんセ 消化器外科

 

【背景】当院では直腸癌手術において、吻合部が肛門管にかかる超低位前方切除術や内肛門括約筋切除術症例には、基本的に一時的回腸瘻を作成している。また、腫瘍による口側腸管の拡張が認められる症例や高度の糖尿病合併症例など縫合不全のリスクが高い症例にも一時的回腸瘻を作成している。初回手術から約3か月後に注腸透視およびCT検査を行い、吻合部リークがないことと再発所見を認めないことを確認したうえで回腸瘻閉鎖術を行う方針としている。【目的】直腸癌手術に併施した一時的回腸瘻による合併症について検討する。【対象と方法】2008年4月から2013年4月、当院において直腸癌治癒切除術に一時的回腸瘻作成術を併施し、その後回腸瘻閉鎖術を施行した61例を対象とした。対象症例において、回腸瘻による電解質異常および腎機能低下、回腸瘻閉鎖術の術後合併症について解析した。【結果】対象61症例の平均年齢は61.4歳、男性46人、女性15人であった。直腸癌に対する施行術式はHAR / LAR / sLAR / ISR / 前方骨盤内臓全摘術がそれぞれ2 / 10 / 25 / 21 / 3例であった。直腸癌のfStageはI / II / III / IVが23 / 9 / 25 / 4 例であり、術後補助化学療法は33例に行われていた。回腸瘻開口期間における電解質異常について、Grade3の低Na血症を2例、低K血症を1例に認めた。クレアチニン増加はG1を7例、G2を2例に認めたが、G3以上は認めなかった。3か月を待たずに回腸瘻の早期閉鎖が必要となった症例は8例(13.2%)あり、その理由は脱水 4例、イレウス 2例、ストーマトラブル 2例であった。回腸瘻閉鎖術後の合併症は、創感染が16例(26.2%)と高頻度に発生し、イレウス が2例、小腸縫合不全 が1例であった。【考察】回腸瘻からの腸液喪失による電解質異常や腎機能低下は多くの症例で軽度であった。しかしGrade3の電解質異常が3例に認められ、脱水などの理由で早期閉鎖を必要とした症例も8例に認められたことから、回腸瘻作成症例においては慎重な経過観察が必要である。また回腸瘻閉鎖術に伴う創感染の頻度は高率であり、SSI予防を念頭においた手術手技の改善が必要である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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