演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

低位前方切除術における左結腸動脈温存の意義

演題番号 : P50-6

[筆頭演者]
野中 健一:1 
[共同演者]
高橋 孝夫:1、久野 真史:1、市川 賢吾:1、八幡 和憲:1、棚橋 利行:1、佐々木 義之:1、今井 寿:1、田中 善宏:1、松橋 延壽:1、奥村 直樹:1、山口 和也:1、長田 真二:1、吉田 和弘:1

1:岐阜大院腫瘍外科

 

【目的】今回我々は低位前方切除術における左結腸動脈温存の意義(縫合不全、腸閉塞への影響等)につきretrospectiveに検討した。【方法】対象は2004年10月から2013年4月までに当院で低位前方切除術(開腹、鏡視下手術双方)を行った症例132例である(一時的人工肛門を造設した症例は除外)。左結腸動脈を温存した症例は98例で、平均年齢は64.6歳であった。性別は男性57例、女性41例であった。Stage別の内訳は0, I, II, IIIa, IIIb, IVがそれぞれ3, 27, 26, 21, 11, 9例で腺腫が1例であった。一方、温存しなかった(下腸間膜動脈を根部で切離)症例は34例で、平均年齢は66.9歳であった。性別は男性15例、女性19例であった。Stage別の内訳は0, I, II, IIIa, IIIb, IVがそれぞれ6, 6, 10, 6, 6例であった。合併切除無しの開腹手術で左結腸動脈を温存した群は48例、温存しなかった群は8例であった。一方合併切除なしの鏡視下手術で左結腸動脈を温存した群は14例で温存しなかった群は24例であった。手術時間・出血量に関しては合併切除なし群のみで検討した。【結果】左結腸動脈温存を温存した群の縫合不全発症率は10.2%で、左結腸動脈を温存しなかった群の縫合不全率は14.7%であった。また腸閉塞発症率は左結腸動脈温存群で5.1%、左結腸動脈非温存群で2.9%であった。開腹手術で左結腸動脈を温存した群の手術時間は257分、出血量は457mlであった。一方、開腹手術で左結腸動脈を温存しなかった群の手術時間は302分、出血量は679mlであった。鏡視下手術で左結腸動脈を温存した群の手術時間は314分、出血量は154mlであった。一方、鏡視下手術で左結腸動脈を温存しなかった群の手術時間は218分、出血量は17mlであった。統計学的には左結腸動脈温存の有無にて縫合不全など術後合併症に差は認めなかったが、左結腸動脈温存群で縫合不全率が低い傾向を示した。また鏡視下手術において左結腸動脈温存群にて手術時間が延長し、出血量が多い傾向を示した。【考察】今後はprospectiveで血流評価を伴った検討と、腫瘍学的側面において再発率、生存率に関する検討もすべきであると考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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