演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高齢者大腸癌に対する外科治療戦略

演題番号 : P50-4

[筆頭演者]
藤井 正一:1,2 
[共同演者]
開田 修平:1、山下 俊:1、諸角 兼人:1、野原 京子:1、奈良 智之:1、野家 環:1、伊藤 契:1、古嶋 薫:1、針原 康:1、橋口 陽二郎:2

1:NTT東日本関東病院 外科、2:帝京大学医学部附属病院 下部消化管外科

 

【背景】高齢者に対する外科治療では主要臓器機能低下を考慮した安全性確保と根治性保持の両立が課題である。【目的】高齢者大腸癌に対する外科治療成績を検証し、治療戦略を再構築する。【高齢者大腸癌の治療方針】結腸癌に対しては年齢に関わらずD2以上の根治手術。直腸癌には予防的側方郭清を施行しない。腹腔鏡手術適応に関しては主治医判断とした。【対象・方法】2013年1月~4月の75才以上大腸癌の切除例を対象に、短期(30日以内)合併症発生因子を遡及的に解析した。解析因子は患者背景、腫瘍因子、手術因子とした。合併症の用語はCTCAEver4.0、GradeはClavien-Dindo分類に従った。統計学的には名義変数はカイ二乗検定、連続変数はt検定で解析し、有意確率を0.05未満とした。【結果】同時期の75才以上大腸癌の切除例は27例であった。患者背景は男性8例、女性19例、平均82.5歳(75-92)、併存疾患93%、重複癌41%、開腹既往41%、ASA(%)1:22.2、2;66.7、3:11.1、ECOGPS(%)0:70.4、1:11.1、2:11.1、3:7.4であった。腫瘍因子で部位(%)は右側51.9、左側18.5、直腸29.6、腫瘍径47mm、f-Stage(%)0:3.7、I:40.7、II:33.3、III:7.4、IV:14.8であった。手術因子は腹腔鏡17例、開腹10例、手術責任を大腸肛門病専門医担当18例、一般外科医担当9例、手術時間199分、出血量125ml、郭清リンパ節22個であった。短期合併症発生率は22.2%、Grade2以上は18.5%、合併症詳細(重複あり)はSSI3例、肺炎2例、心不全1例、イレウス1例、人工肛門壊死1例であった。単変量解析で全Grade合併症発生に有意であったのはECOGPS(PS10.5%:PS1以上57.1%)、手術担当医(大腸専門医11.1%、一般外科医55.5%)、年齢(合併症なし81.1歳:あり87.5歳)であった。Grade2以上合併症ではアプローチ法(腹腔鏡5.9%:開腹44.4%)、手術担当医(大腸専門医5.6%、一般外科医55.5%)、年齢(合併症なし81.3歳:あり87.8歳)、手術時間(なし212分:あり143分)であった。手術担当医で大腸専門医と一般外科医間、およびアプローチ法で腹腔鏡と開腹手術の間の患者背景には差がなかった。多変量解析では有意な因子は抽出されなかった。【結語】高齢者大腸癌に対する外科治療として、腹腔鏡および大腸肛門病専門医担当による手術が合併症回避に有効である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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