演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における高齢者胃癌および結腸直腸癌の予後に関する検討

演題番号 : P50-3

[筆頭演者]
桐井 靖:1 
[共同演者]
宮本 昌武:1、松野 成伸:1、三澤 俊一:1、武田 美鈴:1、坂本 広登:1、飯塚 啓二:1、高木 洋行:1

1:松本市立病院 外科

 

はじめに:当院は松本市郊外に位置する206床の地域中核病院で、2012年度の年間入院総数は3934名でうち80才以上の高齢者は974名25%、90才以上は281名7.2%であった。高齢者に発見される消化器癌も年々増加して治療方針に苦慮することが多い。当院における高齢者胃癌および結腸直腸癌の治療方針と予後をレトロスペクティブに検討することで今後の指針を探った。方法:2008年4月から2013年3月の5年間に当院に入院した90才以上(退院時年齢)の胃癌および結腸直腸癌23名について、治療方針と平成25年4月末における転記およびその期間を分析した。結果:平均年齢92.5才(90-95才)、(1)胃癌14名:平均年齢91.9才平均生存期間15.6か月、手術5例(内バイパス2)、非手術9例、バイパス+非手術11例(全て死亡)の平均生存期間14.5か月(1-51か月)、切除症例3例中他病死1再発死1生存1の平均生存期間21.0か月(18-23か月)、(2)結腸直腸癌9名平均生存期間17.9か月:平均年齢93.4才、手術7例(内人工肛門2)、非手術2例、人工肛門+非手術4例(全て死亡)の平均生存期間13.5か月(1-38か月)、切除症例5例(全て生存)の平均生存期間21.4か月(5-47か月)、(3)非手術胃癌9例中「切除可能ではあるが全身状態またはご希望により非手術」となった3例(全て死亡)の平均生存期間40.0か月(26-51か月)、(4)胃癌のバイパス2例とも5か月で死亡、結腸直腸癌の人工肛門造設2例はそれぞれ5か月と38か月で死亡、結腸直腸癌の非手術2例はそれぞれ1か月(穿孔での発症)と10か月で死亡した。考察:胃癌は切除不能の進行癌が多くその予後は短い傾向にあった。切除可能だが敢えて非手術とした胃癌症例の予後は比較的長期となり切除症例よりもむしろ長かった。胃癌に対するバイパス術はQOLの改善にはつながったが予後延長には寄与しなかった。結腸直腸癌は高齢でも手術適応となることが多く手術適応となった症例の予後は良好であった。非切除胃癌と非切除結腸直腸癌の予後はほぼ同等であったが、非切除結腸直腸癌に対する人工肛門造設にはそれだけで長期生存が得られる症例が見られた。胃癌においては高齢者の手術適応はやや消極的、結腸直腸癌は可能なら積極的に根治切除を、という従来の感覚を裏付ける結果となった。高齢者の個別性を考慮すると年齢と疾患だけで一概に括ることは不可能で個々の症例について十分な検討が必要であると思われた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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