演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌腹膜播種の治療戦略

演題番号 : P50-1

[筆頭演者]
松田 健司:1 
[共同演者]
堀田 司:1、瀧藤 克也:1、横山 省三:1、渡邊 高士:1、三谷 泰之:1、家田 淳司:1、岩本 博光:1、水本 有紀:1、山上 裕機:1

1:和歌山県立医科大学 第2外科

 

(はじめに)大腸癌腹膜播種は遠隔転移の中でもとりわけ予後不良である。しかし、一部の症例では治癒が得られる可能性もあり、正確な病態の理解が求められる。(目的)教室の大腸癌腹膜播種治療成績の特徴を明らかにすることで今後の適切な治療について検討する。(対象)教室と関連施設で1998-2007年に初回手術を行った初発大腸癌腹膜播種153例。(方法)1.予後因子の解析、2.根治切除症例(CurB)の解析、3.根治切除不能で原発巣無症状の際の原発巣切除の意義の解析、4.腹膜播種単独症例の細胞診の意義の解析。(結果)1. 153例中原発巣切除は126例(82%)。多変量解析では、播種程度(P1/2,3:p=0.008)、リンパ節転移比率(lymph node ratio)(0.5以上未満:p=0.034)が独立予後因子として同定。(Am Surgeon 2011)、2. 153例中根治切除例は31例(20%)。根治切除施行31例中24例(77%)に再発し5年生存率は36%。(Surgery2012)、3. 153例中根治切除不能例は122例(80%)でこの中で原発巣が無症状であったものが46例。多変量解析にて原発巣切除(p=0.003)とCPT11/L-OHPの使用(p=0.047)が独立予後因子として同定。CPT11/L-OHP使用例のMSTは18ヵ月で非使用例は7ヵ月。46例中5例に経過中に腹膜播種の影響による腸閉塞にて手術介入が必要となり、その5例は全例CPT11/L-OHP使用例であった(p=0.001)。(Surg Today2013)。4.腹膜播種単独85例の中で腹水細胞診施行45例で検討すると、P1,P3では細胞診の結果は予後には反映していなかったが、P2では細胞診陽性例は陰性例に比べて予後不良であった(p=0.002)。(結語)1.播種の程度にLNRを加味することで、予後予測が可能と考える。2.根治切除例では肝転移の根治切除例に近い成績が得られることより、可能な症例は肉眼的根治切除を目指すことが重要と考える。3.たとえ原発の症状がなくても原発巣を切除することとCPT11/L-OHPを導入することで、予後不良とされている切除不能腹膜播種でも予後の延長が得られる可能性が示された。しかし、原発巣の症状出現回避目的で切除を行っても、腹膜播種の場合は他の部位での消化管狭窄が生じて手術介入が必要となることも念頭に置く必要がある。4. P2では洗浄細胞診陰性であれば積極的な切除で予後が改善できる可能性が示唆される。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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