演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腫瘍浸潤径10cm以上の乳癌切除を目指した集学的治療

演題番号 : P5-13

[筆頭演者]
立石 雅宏:1 
[共同演者]
東 貴寛:1、内山 秀昭:1、奥山 稔朗:1、是永 大輔:1、竹中 賢治:1

1:福岡市民病院 外科

 

【背景】乳癌では腫瘍径が大きくなると切除に皮膚移植が必要となる、或いは胸壁への浸潤などで切除が困難な症例が見られる。また腫瘍径の大きな乳癌ではしばしば皮膚潰瘍を形成するが、皮膚潰瘍を形成すると出血・浸出液・悪臭などのため根治性が無くともQOL向上の目的で切除することもある。今回我々は浸潤径の大きな乳癌に対してQOL改善のため切除を目指した集学的治療を試みたので報告する。【対象】当院で平成22年度から2年間に治療を開始した乳癌で、腫瘍浸潤径が10センチ以上の症例を対象とした。【結果】7例全員が女性で、平均年齢は56.5歳(32-64)だった。T因子はT4bが5例、T4c,T4dがそれぞれ1例で、4例は皮膚潰瘍・出血を伴っていた。N因子はN2aが2例、N3aが2例、N3cが1例、M1相当が2例だった。臨床病期はIIIB期が1例、IIIC期が2例、IV期が4例だった。サブタイプはbasal likeが2例、HER-2 en-richが1例、luminal Bが4例だった。ホルモン陽性例は全例AIを使用し、全例に化学療法が行われ、4例は切除が可能となり手術が行われた。残り3例のうち1例は化学療法を4th lineまで行い、さらに放射線療法も追加したが胸壁浸潤は残存し、ネフローゼ症候群より大量の胸水・腹水貯留となりこれ以上の治療を断念してBSCとなった。現在治療中の1例はT4cの炎症性乳癌だが、広範な乳房のリンパ管浸潤は肉眼的には消失し、縦隔・大動脈周囲リンパ節転移まで認めたリンパ節転移も画像上はほぼ消失した。多発肝転移があり治療継続中だが、QOL改善目的はすでに達成している。T4bの残り1例は皮膚移植をすれば切除可能な状態になっており、PRが継続する限り治療を続けて切除を予定している。切除可能となった4例を分析すると、T因子は全例がT4bで、N因子はN2aが2例、N3a,N3cがそれぞれ1例で、病期はIIIB期,IV期がそれぞれ2例だった。【考察】切除可能となった症例はいずれもT4bで胸壁浸潤のない症例であったこと、N因子は特に関連がなかったことから切除率はT因子の関連が強いと考えられた。従来の細胞障害性抗癌剤に分子標的薬を組み合わせることで切除可能となる症例が増加し、11ケ月の3rd line化学療法で切除可能となった症例もあるため、切除率の向上のためには有害事象の適切な管理を行い治療継続することが重要と考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:集学的治療

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