演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における進行・再発乳癌に対するエリブリンの有用性の検討

演題番号 : P5-4

[筆頭演者]
古武 剛:1 
[共同演者]
木川 雄一郎:2、常盤 麻里子:3、佐竹 悠良:1、藤田 幹夫:1、加藤 大典:2、辻 晃仁:1

1:神戸市立医療センター中央市民病院 腫瘍内科、2:神戸市立医療センター中央市民病院 乳腺外科、3:京都大学大学院医学研究科 乳腺外科学

 

【背景・目的】エリブリンメシル酸塩(以下エリブリン)は海外で実施された第III相EMBRACE試験において進行・再発乳癌に対する有用性が示された薬剤である。多くの化学療法を受けた乳癌患者に対して、単剤で全生存期間を延長させており、実臨床でも効果が期待される。一方で、好中球減少症のための減量や投与スケジュールの変更を必要とする症例も散見されるのが現状である。 今回我々は、エリブリン投与を行った進行・再発乳癌につき、有効性および安全性をレトロスペクティブに検討したので報告する。【対象】当院で2011年12月から2012年12月までの1年間でエリブリンを投与された進行・再発乳癌11例を対象とした。【結果】対象患者の年齢中央値は66歳(範囲38~89歳)、PSは全例0または1であった。再発もしくは進行乳癌に対する前治療レジメン数中央値は3.5(範囲0~6)、エリブリン投与サイクル数中央値は4(範囲2~19)であった。減量を要したのは7/11例(63.6%)、投与スケジュールを変更したのは6/11例(54.5%)であり、そのうち5例はbiweekly投与、1例はtriweekly投与であった。biweekly投与5例のうち3例は1コース目から変更を余儀なくされていた。 腫瘍縮小効果は、完全奏効(CR)0例(0.0%)、部分奏効(PR)1例(9.1%)と奏効率(ORR)は低かったが、安定(SD)は8例(72.7%)認め、そのうち6か月以上の安定(longSD)は4例(36.4%)認めた。病勢コントロール率(DCR:CR+PR+SD)は75.0%、臨床的有用率(CBR:CR+PR+longSD)は41.7%であった。投与スケジュール別では標準投与例とbiweekly投与例のCBRはそれぞれ33.3%、60.0%であった。 Grade3以上の有害事象は白血球減少、好中球減少5例(45.4%)、発熱性好中球減少1例(9.1%)が認められたが、重篤な感染症はなかった。Grade3以上の非血液毒性は認めなかった。【考察】今回の検討では、奏効例は少ないもののlongSDが得られた症例など比較的良好なDCRが得られ、前治療歴が多い症例に対しても効果が期待できると考えられる。また、biweekly投与に変更した症例では相対用量強度は30%程度減少するが、3/5例(60%)にlongSDが得られており、継続投与することの重要性が示唆された。エリブリンは他の抗がん薬と比較して好中球減少の頻度が高いものの、有害事象に応じて投与方法を変更することでエリブリンの良好な治療効果が引き出せる可能性が高いと考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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