演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における根治切除不能/再発大腸癌に対する抗EGFR抗体の位置づけ

演題番号 : P49-5

[筆頭演者]
外山 栄一郎:1 
[共同演者]
川田 康誠:1、小林 広典:1、久保田 竜生:1、大原 千年:1

1:熊本再春荘病院

 

(はじめに)B-mabのbeyondPDのデータが示されて以来、抗EGFR抗体は3rd line以降の位置づけとする施設も増加している。当院ではconversionの可能性のあるkras野生株症例には積極的に抗EGFR抗体を投与し良好な経過を得ているので報告する(対象)2010年より抗EGFR抗体を使用したESMOガイドライングループ2までのkras野生株の根治切除不能/再発大腸癌10例(方法)1次治療として7例に2次治療として3例に施行した。1次治療では6例にP-mab+FOLFOXを導入し、1例はC-mab+SOX療法を用いた。2次治療ではC-mab+CPT-11orFOLFIRI)が導入され、3次療法以降にP-mabが用いられた。年齢は平均66(42-81)才。男性6例、女性4例。原発は直腸癌5例、結腸癌5例。同時転移6例、異時再発4例。同時転移症例に対しては5例に術前化学療法を行った(1例投与中)。転移巣は肝8例、リンパ節3例、播種1例であった。(結果)10例全例に腫瘍縮小効果がみられ、良好な病勢コントロールが得られた(SD3例PR6例CR1例)。術前投与を行った4例に計画通り手術が可能であり、1例に縫合不全を認めたが、他に特有の合併症なく安全に手術が可能であった。切除例の平均全生存期間は18.3ヵ月(7-40)であり、R0手術が可能となった症例に現段階で再発を認めていない(最長観察期間40ヵ月)。2次治療を行った症例でも1例に治療開始28ヶ月目にR0手術が可能となり、他の2例もRFAやRTを組み合わせることで長期生存が可能であり、2次治療症例の平均全生存期間は43.3ヵ月(35-60)に及んでいる。抗EGFR抗体投与後の局所療法は現在投与中の2例を除いて8例全例に施行し、内訳は原発巣切除4例、肝切除3例、RFA5例、リンパ節摘出2例、RT3例であった、1次治療における抗EGFR抗体の総投与コースは平均で8回(5-10)であり、皮疹は全例に出現し、長期投与は困難であった。患者希望により治療が中断された1例を除いては全例生存中であり、良好な治療成績が得られた。(結語)kras野生株に対する抗EGFR抗体は早期の腫瘍縮小効果が期待できることと血管新生阻害作用がないことから術前投与やconversionの可能性のある症例では積極的な投与が予後改善につながる可能性があると考えられた。複数の転移巣がある症例や2次治療以降ではR0手術が困難であってもRFAやRTなどの局所治療を併用することで長期生存が期待できる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

前へ戻る