演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行大腸癌に対して一次治療で抗EGFR抗体を使用した症例の治療効果と有害事象の検討

演題番号 : P49-3

[筆頭演者]
武田 弘幸:1 
[共同演者]
須藤 剛:1、小林 由佳:2、鈴木 由美:3、佐藤 敏彦:1、根本 大資:1、石山 廣志朗:1、佐藤 美弥子:3、田沢 さゆり:3、蘇部 友美:3、鈴木 薫:4、結城 正幸:4、小野 裕紀:4、大熊 良和:4、飯澤 肇:1

1:山形県立中央病院外科、2:山形県立新庄病院薬剤部、3:山形県立中央病院看護部、4:山形県立中央病院薬剤部

 

 目的:進行再発大腸癌における一次治療としての抗EGFR抗体使用症例の治療効果と有害事象について検討した。 症例:KRAS野生型の進行大腸癌に対し、抗EGFR抗体を使用した症例は83例(重複を含む)あり、セツキシマブが53例、パニツムマブが30例であった。それらのうち一次治療として、mFOLFOX+セツキシマブ(C群)を実施した症例が6例、mFOLFOX+パニツムマブ(P群)を実施した症例が5例あり、これらの治療効果と有害事象について報告する。 結果:年齢はC群が平均58.5歳と、P群は65.8歳と比較して若く、また直腸病変例が多かった。切除標本の組織型ではほとんど差異を認めなかった。 治療成績はC群の奏効率が80%(PR 4例:SD 1例:未評価1例を除く)、P群が20%(PR 1例:SD 2例:PD 2例)であり、早期縮小率(治療後8週目)では、C群47.6%、P群16.9%であった。また切除不能な多発肝転移巣に対し、化学療法による先行治療により切除可能となった症例が、C群では4例(うち1例が切除予定)あった。うち1例は、肝転移巣は切除可能となったが、肝予備能(ICG値)のため切除不可能であった。これら4症例はいずれも直腸病変であった。 血液有害事象ではGrade2以上が、C群で2例、P群で3例(1例で発熱性好中球減少症)あった。非血液有害事象ではインフュージョンリアクションは認めず、保湿剤・抗生剤内服・ステロイド軟膏などの予防投薬を施行しているが、皮膚症状を多く認めた(全体の82%)。Grade2以上の症例は、C群では4例、P群では3例であった。皮膚症状の種類(重複を含む)は、C群では痤瘡様皮疹が4例、爪周囲炎が2例、掻痒症、皮膚疼痛、口内炎がそれぞれ1例であり、P群では痤瘡様皮疹、手足症候群がそれぞれ2例であった。そのうちGrade3以上の皮膚症状は、C群の爪周囲炎、皮膚疼痛が1例ずつ、P群の痤瘡様皮疹が2例、手足症候群が1例であった。有害事象によるレジメン変更症例は、C群では痤瘡様皮疹で1例、P群では末梢神経障害で1例あり、それぞれ7コース施行後、6コース施行後であった。 結果:一次治療として抗EGFR抗体は比較的安全に使用されていた。11例中5例でPRが得られ、C群では4例に肝転移巣切除が可能であった。今後も症例の選択と皮膚対策を中心とした有害事象対策を施行することで一次治療としても有効な方法と考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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