演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行再発大腸癌に対する3次治療以降としての抗EGFR抗体併用療法の有効性

演題番号 : P49-1

[筆頭演者]
小山 基:1 
[共同演者]
村田 暁彦:1、坂本 義之:1、諸橋 一:1、高橋 誠司:1、室谷 隆裕:1、袴田 健一:1

1:弘前大学大学院医学研究科 消化器外科学講座

 

【目的】進行再発大腸癌に対する化学療法として抗VEGF抗体や抗EGFR抗体の併用療法が標準化されてきたが,分子標的薬の選択基準や治療方針については一定の見解が得られていない.今回,3次治療以降として施行した抗EGFR抗体の有用性をretrospectiveに検討した.【対象】2007年8月から2012年3月までに外来化学療法で分子標的治療を行った108例のうち抗EGFR抗体療法は54例.前治療として抗VEGF抗体が投与された3次治療以降の抗EGFR抗体療法は42例であり(3次:27例, 4次:15例),1次および2次治療の抗EGFR抗体療法12例を比較対象群として,安全性および抗腫瘍効果を比較検討した.【結果】男性21例,女性21例で,平均年齢は61.3歳.原発巣は結腸17例,直腸25例.同時性は20例で,異時性が22例.標的臓器は1臓器24例,2臓器10例,3臓器以上8例.抗EGFR抗体の平均施行回数は18.4回(3次:20.7回,4次:13.3回)であり,1-2次治療の19.2回と同等であった.併用の抗がん剤はFOLFIRIが16例,FOLFOXが1例,CPT-11が17例,IRISが1例,単独が7例であり,1-2次治療よりCPT-11併用や単独使用例が有意に多かった.単独使用はPSが低下した3次治療4例と4次治療3例で投与されていた.Grade3以上の有害事象は3次治療以降が48%(血液毒性:24%,非血液毒性:36%),1-2次治療が50%(血液毒性:21%,非血液毒性:43%)と同等であり,Grade3以上のざ瘡様皮疹(爪周囲炎を含む)は3次治療以降が15%,1-2次治療が14%であった.抗腫瘍効果は1-2次治療が奏効率33%・病勢制御率100%で,3次治療が奏効率33%・病勢制御率67%,4次治療が奏効率0%・病勢制御率33%であり,無増悪生存期間(PFS)は1-2次治療が7.0月,3次治療が5.0月,4次治療が2.0月であった.3次治療以降で抗EGFR抗体を使用した症例の前治療を含めた全生存期間中央値(MST)は32.4月と良好であった(1-2次治療MST;26.3月).【結語】抗EGFR抗体は3次治療以降であっても,安全性の面で外来化学療法が可能であり,抗腫瘍効果は高く有用性が認められた.また,3次・4次治療のPSが低下してきた場合でも,単剤で使用することで安全性を担保しながら一定の抗腫瘍効果が得られていた.5-FU, L-OHP, CPT-11の3剤に加えて,抗VEGF抗体と抗EGFR抗体の5剤を使いきることの重要性が再確認され,腫瘍の進行が緩徐な症例では,KRAS野生型であっても1次治療では抗VEGF抗体を選択して,抗EGFR抗体は2次治療以降で使用する選択肢も考慮される.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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