演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

直腸癌術後尿管再発の一例

演題番号 : P48-20

[筆頭演者]
松本 聖:1 
[共同演者]
稲田 涼:1、母里 淑子:1、近藤 喜太:1、永坂 岳司:1、江原 伸:2、戸田 博子:3、柳井 広之:3、藤原 俊義:1

1:岡山大病 消化器外科、2:岡山大病 泌尿器科、3:岡山大病 病理診断

 

初回手術より4年8ヶ月を経て、膀胱移行上皮癌に伴う血尿を契機に発見された、直腸癌術後の左尿管再発を経験したので報告する。症例は80代男性。2007年1月、当院にて上部直腸癌に対して低位前方切除術(D2:prxD3)を施行。病理所見では腫瘍は一部粘液貯留を伴う高~中分化腺癌の増殖を認め(tub2 > tub1 > muc), 病期診断として、Ra, 2型, SE, N0, H0, P0, M0, StageII, curAとなった。術後定期的に経過観察していたが、2011年9月、血尿出現し当院泌尿器科受診。膀胱鏡検査にて膀胱後壁に乳頭状の腫瘍を認め、またCT・MRI検査では下部尿管に腫瘍を指摘。膀胱腫瘍に対してはTUR-Btを行い、また尿管腫瘍に対しては腹腔鏡下左腎尿管全摘除術を施行。病理所見では膀胱腫瘍は、移行上皮癌で、T1, N0, M0, Stage Iと診断。また尿管腫瘍は腺管構造を伴う分化型腺癌の増殖を認め、免疫染色にて、CK7陰性、CK20陽性であり、大腸由来の腺癌が示唆され、直腸癌の転移性尿管癌と診断された。術後大きな合併症なく退院し、引き続き外来で経過観察していたが、2012年4月フォローの膀胱鏡にて膀胱後壁および左尿管入口部の隆起性病変を指摘。TUR-Btを行い、それぞれ組織学的に移行上皮癌および腺癌を認め、膀胱癌および直腸癌の再発と診断。5月CT検査にて多発肺転移を指摘。12月癒着性腸閉塞による嘔吐に伴う誤嚥性肺炎により永眠された。大腸癌治療ガイドラインによると、直腸癌の初発再発臓器としては、肝臓、肺、局所がそれぞれ30%、31%、36%と高頻度であり、それ以外の臓器での再発は珍しい。特に尿管単発の転移は、症例報告として散見されるのみで、きわめて頻度が低いと考えられる。また大腸癌の再発は大部分が3年以内に発生するが、本症例のように初回手術より4年8ヶ月を経過して再発することも稀である。今回、われわれは直腸癌術後尿管再発という極めて稀な疾患を経験した。若干の文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

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