演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

オキサリプラチンの関与が疑われた再発直腸癌化学療法中の結腸ストーマ出血の1例

演題番号 : P48-16

[筆頭演者]
小林 成行:1 
[共同演者]
福原 哲治:1、目崎 久美:1、中川 和彦:1、小林 一泰:1、花岡 俊仁:1、内ノ村 聡:2、加藤 勤:2

1:住友別子病院 外科、2:住友別子病院 放射線診断科

 

【はじめに】オキサリプラチン(L-OHP)の関与が疑われた,再発直腸癌化学療法中の結腸ストーマ出血の1例を経験したので,報告する.【症例】患者は51歳男性.2008年に下部直腸癌に対してEMR施行されたが,sm浸潤1700μmであったため,追加治療として他院で放射線療法が施行された.2009年10月に局所再発のため,他院で腹会陰式直腸切断術を施行された.しかし,同年11月に多発性肝転移を指摘され,FOLFOX4/Bevacizumab(BV)を22クール,FU/LV(de Gramont regimen)/BVを39クール施行された.化学療法中に,進行性の脾腫と結腸ストーマ周囲の静脈拡張が認められていた.2012年6月に結腸ストーマからの出血があり,ショック状態で当院救急外来に搬送された.血管造影(DSA)を行ったが,腹腔動脈,上腸間膜動脈,下腸間膜動脈(IMA)から明らかな動脈性の出血は認めなかった.脾腫による門脈圧上昇から形成された結腸ストーマ周囲の静脈瘤の破綻を疑い,これを証明するため対側大腿動脈から挿入したバルーンカテーテルで脾動脈をバルーン閉鎖した上で,IMAよりDSAを行った.通常のDSAでは辺縁静脈から下腸間膜静脈(IMV)にかけての造影剤はうっ滞していたが,バルーン閉鎖DSAでは,IMVは順行性の良好な流出を認めた.バルーン閉鎖にて静脈瘤は減圧され出血も停止していることから,脾動脈塞栓を継続し,翌日に脾臓摘出術を行った.術後はストーマ周囲の静脈瘤は縮小し,再出血は認められなかった.現在もFU/LV/BVによる化学療法を継続している.【考察】L-OHPは大腸癌化学療法のkey drugの一つであるが,副作用の一つに肝類洞障害があり,脾腫や血小板減少,腹水,食道静脈瘤などの門脈圧亢進症状が認められることがあると報告されている.本症例は,門脈圧亢進に伴い形成された結腸ストーマ周囲の静脈瘤から出血したものと考えられ,過去に投与されたL-OHPが関与していることが強く疑われた.L-OHPを含む化学療法を施行する際には,脾腫と門脈圧亢進症状への留意が重要と考えられた.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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