演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

レゴラフェニブが15か月間奏功した転移性大腸癌の1例

演題番号 : P48-13

[筆頭演者]
辻本 彰子:1 
[共同演者]
傳田 忠道:1、杉田 統:1、新井 裕之:1、喜多 絵美里:1、中村 奈海:1、相馬 寧:1、鈴木 拓人:2、須藤 研太郎:1、中村 和貴:1、三梨 桂子:3、廣中 秀一:3、原 太郎:2、貝沼 修:4、山口 武人:1

1:千葉県がんセンター 消化器内科、2:千葉県がんセンター 内視鏡科、3:千葉県がんセンター 臨床試験推進部、4:千葉県がんセンター 消化器外科

 

【背景】大腸癌に対する分子標的治療薬は、抗VEGF抗体ベバシズマブと抗EGFR抗 体セツキシマブ、パニツムマブの開発以来しばらくとどまっていたが、近年、マルチターゲット型受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるレゴラフェニブが開発された。標準治療施行後に病勢進行が認められた転移性大腸癌に対する第3相試験(CORRECT試験)において、プラセボと比較して全生存期間と無増悪生存期間を有意に延長することが証明され、その生存期間中央値は6.4か月程度と報告されている。【症例】57歳、女性。152cm、47kg。上行結腸癌に対して、2006年1月 右半結腸切除術を施行した。最終病理診断はwell.diff.adenocarcinoma,fSS,N2,P0,H0,M0,StageIIIb,CurAであった。術後よりUFT/LV療 法を行ったが、11か月後に右肺転移を2個 認めたため、胸腔鏡下右肺部分切除術を行った。その後無治療で経過観察していたが、2007年6月多発肺・肝転移を認め、同7月mFOLFOX6+ベバシズマブを開始した。4コース後深部静脈血栓症を発症したため、ベバシズマブを中止し、46コース目でエルプラットによるアレルギーが出現したため、エルプラットを中止した。2010年1月 肝転移巣の増大を認めた。同3月 CPT-11単剤へ変更し、最大効果SDを得たが、同12月肝転移巣の増大を認めた。KRAS遺伝子変異型のため抗EGFR抗体薬は投与せず、2011年2月 レゴラフェニブ160mg/日の服用を開始した(3週間投与、1週間休薬、4週毎)。有害事象(CTCAE v4.0)は、投与開始30日までに食欲不振(grade1)、ざ瘡様皮疹(grade1)、90日までに口腔粘膜炎(grade3)、90日以降に嗄声(grade1)、下痢(grade1)、 手掌・足底発赤知覚不全症候群(grade1)、そう痒症(grade1)、悪心(grade2)、 嘔吐(grade2)、疲労(grade2)、疼痛(grade2)、甲状腺機能低下症(grade2)を認めた。3コース目からは120mg/日 に、5コース目からは80mg/日に減量した。その後は手掌・足底発赤知覚不全症候群や口腔粘膜炎、倦怠感のため、休薬期間を延長した。同5月に多発骨転移を認めたためPDと判断した。その後は緩和治療へ移行し3か月後永眠された。【考察】本症例では、手掌・足底発赤知覚不全症候群や倦怠感のため、レゴラフェニブを80mg/日まで減量し、最終的には4週の内2週程度の服用であった。しかし、看護師・薬剤師など他職種との連携による患者教育と副作用対策を行い、休薬期間を延長しつつ継続したことが15か月間の奏功につながったと考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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