演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

重複結腸癌再発に対するBevacizumab+FOLFIRI療法中に回腸穿孔を発症した1例

演題番号 : P48-12

[筆頭演者]
竹村 真一:1 
[共同演者]
黒田 房邦:1、土井 孝志:1、横山 智:1

1:白河厚生総合病院 外科

 

症例は77歳男性。平成23年12月に同時性多発性肝転移を有する上行結腸癌およびS状結腸癌に対して腹腔鏡補助下右半結腸切除術+S状結腸切除術を施行した。病理組織学的所見で上行結腸癌はtub2,pSS,ly1,v3,pN2、S状結腸癌はpap ,pSE,ly1,v1,pN0、多発性肝転移が存在するためp-StageIVであった。術後、多発肝転移に対してBevacizumab(以下BV)+XELOX療法を合計5クール施行。肝転移巣以外の遠隔転移の出現を認めなかったため、平成24年7月にS4a,S4b,S8の肝転移巣を3カ所、肝部分切除術で切除した。肝切除後は化学療法を施行せず経過観察としていたが、10月のCTで多発肝転移、リンパ節転移、腹膜播種の出現を認めたため、BV+XELOX療法を再開。3クール施行後、採血上CEAの上昇と末梢神経障害、味覚障害が悪化したため、12月よりBV+FOLFIRI療法へ変更した。BV+FOLFIRI療法4クール目終了後2日目に全身倦怠感と腹痛を主訴に救急外来を受診、急性腹症の診断で入院となった。腹部CTで上腹部中心の少量のfree airと腹水の存在を認めたため、上部消化管穿孔による腹膜炎の診断となった。全身状態が安定していたため保存的治療を開始したが、入院後2日目になっても症状が軽快しないため、開腹手術を施行した。開腹し腹腔内を検索したところ、Bauhin弁より約20cm口側付近の回腸の腸間膜付着部に5mm大の白色結節性病変を認め、同部位に一致して回腸の穿孔を認めた。穿孔部を含めた回腸部分切除術+一期的吻合および腹腔ドレナージを施行し手術を終了した。切除標本では回腸粘膜面にpunch-out様の潰瘍を形成し、それが穿孔部に連続していた。病理組織検査では回腸の潰瘍部に大腸癌の組織像と類似した中分化型腺癌を認め、大腸癌の小腸転移もしくは腹膜播種の浸潤からの穿孔が疑われた。組織学的効果判定はGrade 1aであった。術後はBV投与中の創傷治癒遅延による縫合不全の合併も無く経過し、その他の術後合併症は認めなかった。BV投与中の消化管穿孔はBV療法の最も重篤な合併症の一つであり、その発生頻度は約2%とされている。2013年4月現在、医中誌での検索でBV使用中に生じた消化管穿孔の本邦論文報告例は12論文、合計18症例であり、穿孔の原因や穿孔時期に関しては様々な報告がなされている。またBV投与中の一期的消化管吻合に関しても議論が分かれるところである。これら本邦におけるBV投与中の消化管穿孔例の報告をまとめ、若干の考察を加え報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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