演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

多発肝転移を伴う直腸癌に対してFOLFOX+Pmab療法行いR0手術を施行した1例

演題番号 : P48-9

[筆頭演者]
大久保 啓史:1 
[共同演者]
盛 真一郎:1、馬場 研二:1、田上 聖徳:1、柳田 茂寛:1、川崎 洋太:1、飯野 聡:1、迫田 雅彦:1、上野 真一:1、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学 消化器乳腺甲状腺外科学

 

<はじめに>進行大腸癌に対する化学療法は、分子標的治療薬も加わり、治療成績の向上が報告されている.今回われわれは多発肝転移およびリンパ節転移を伴う進行直腸癌に対してFOLFOX+Pmab療法を行い、腫瘍縮小が得られたため、原発巣および肝転移巣を2期的に切除し、R0が得られた1例を経験したので報告する。<症例>症例は66歳男性。2012年5月排便困難を主訴に近医受診し、大腸内視鏡検査で肛門縁から15cmに鏡体通過不能の全周性2型腫瘍を認め、生検にて高分化腺癌の診断。CT検査で多発リンパ節転移、多発肝転移を伴う直腸癌と診断され、当科紹介となった。精査にて両葉に渡る三か所の肝転移(S2,S5,S8)や、#253~#252に一塊となった巨大リンパ節転移を認め、原発巣は周囲脂肪織の混濁を認める高度局所進行癌と診断した。閉塞症状を認めたため回腸瘻造設術を施行し、その際腹腔鏡下の観察にて直腸癌の骨盤内固定と、腸間膜リンパ節の小腸への節外浸潤を認めた。Kras野生型であったため、FOLFOX6+Pmab療法を選択し、計7コース行った。経過中重篤な有害事象の出現はなかった。化学療法後の評価は、原発巣は長径50mmから35mmに縮小し、リンパ節転移、肝転移とも著明に縮小を認め、RECIST評価でPRと判断した。切除の方針となり、直腸切除先行後、2期的肝切除とした。2013年4月腹腔鏡下低位前方切除術を施行した。リンパ節の節外浸潤は消失し、一塊となったリンパ節も縮小を認めていたため、下腸間膜動脈は根部で処理しえた。直腸の剥離授動も時間を要したが可能であった。病理学的効果判定はGrade1aで、pSS,ly0,v2,pN1の診断であった。術後経過は良好で、術後10日目に退院となった。術後35日目に転移性肝腫瘍に対して、肝右葉切除+外側区部分切除術を施行しR0が得られた。<まとめ>StageIVの大腸癌は予後不良であるが、R0手術ができれば予後の改善が期待できる。分子標的治療薬を併用した化学療法は、肝転移やリンパ節転移を伴う高度進行大腸癌に対して、Conversion therapyを目指すうえで有用である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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