演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

WHO分類 2010に基づいた大腸神経内分泌腫瘍G3の5症例の検討

演題番号 : P48-1

[筆頭演者]
渡部 顕:1 
[共同演者]
渡辺 一輝:1、諏訪 雄亮:1、鈴木 紳祐:1、石部 敦士:2、大田 貢由:2、市川 靖史:3、遠藤 格:1

1:横浜市立大学附属病院 消化器・腫瘍外科、2:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター、3:横浜市立大学附属病院 臨床腫瘍科

 

背景:2010年のWHO分類改訂では核分裂像とKi-67指数により神経内分泌腫瘍は3つのGradeに分類された。この新分類となってからの大腸神経内分泌腫瘍の疫学は未だ不明な点が多い。 目的:大腸癌におけるWHO分類2010に基づいた神経内分泌腫瘍G3について検討する。対象と方法:当教室データベースおよび病理データベースで検索可能であった2000年1月から2013年3月まで原発性大腸癌のうち、免疫染色マーカーであるシナプトフィジン、クロモグラニン、NCAMのいずれかが陽性であり、核分裂像またはKi-67指数が20%を超え、内分泌細胞癌の成分が全癌成分の30%を越える症例をNET G3として臨床病理学的因子を検討した。結果:対象期間の手術症例は3090例であり、NET G3は5例(0.2%)であった。シナプトフィジン、NCAMはすべての症例で陽性であり、クロモグラニンは3例で陽性であった。年齢の中央値は65歳で,男性が3例、女性が2例であった。局在はDが1例,Sが2例,Raが2例で,腫瘍径(mm)=44(10-75)、深達度は深達度:SS,SE=2,2,StageIIが1例で残りの4例はStageIVであった。術前に内分泌細胞癌と診断されていたのは3例であった。一例は多発肝転移による肝不全のため無治療であった。他の4例は1例が高度腹膜播種のために人工肛門造設のみで、残りの3症例は原発巣切除とリンパ節郭清を施行しており、CurAが1例でCurBが2例だった。切除例3例の病理学的因子では、3例ともに高度の脈管侵襲とリンパ管侵襲を認め、リンパ節転移のあった2例では転移個数がそれぞれ25、35個と高度のリンパ節転移を認めた。非切除の2例はBSCとし1.2ヶ月,15.1ヶ月で原病死した。StageIIの1例は後療法を施行せずに術後3年無再発生存中である。CurBの1例はmFOLFOXを施行したが肝,腹膜再発し,18.9ヶ月で原病死し,他の1例はがん性リンパ管症で術後4ヶ月で原病死した。結語:WHO分類2010に当てはまるNET G3は0.2%と低頻度であるが、手術時には高度進行例が多く、予後は不良である。はっきりと定義づけした分類での疫学が今後の検討には必要であると考えられ,多施設での症例蓄積が必須であると考えられる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:疫学・予防

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