演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高度進行胃癌に対する術前化学療法としてのDCS療法の有害事象と有効性の検討

演題番号 : P47-5

[筆頭演者]
日比野 壮貴:1 
[共同演者]
小林 大介:1、神田 光郎:1、田中 千恵:1、山田 豪:1、藤井 努:1、中山 吾郎:1、杉本 博行:1、小池 聖彦:1、野本 周嗣:1、藤原 道隆:1、小寺 泰弘:1

1:名古屋大学医学部附属病院 消化器外科2

 

<はじめに>切除不能進行胃癌に対する化学療法として、ガイドラインではS-1+CDDP(以下SP )療法が推奨されている。Docetaxel+CDDP+S-1 (DCS)療法はSP療法より奏効率に優れ、新たな治療の選択肢として期待される。今回我々は高度進行胃癌に対するDCS療法の使用経験について報告する。<方法>症例は2011年8月から2013年4月の間に、StageIIIBまたはIIICと診断され、術前化学療法( NAC )としてDCS療法を選択した5例を対象とした。レジメンはKDOG 0601に準じた (Docetaxel 40mg/m2、CDDP 60mg/m2, day 1, S-1 80mg/m2 days 1-14, q 28 days)。当院における症例選択基準は年齢70歳未満、経口摂取可能、PS 0~1、主要臓器に合併症のない症例とした。<結果>年齢は46~65歳、男性5例であった。2症例は造影CTで膵浸潤が疑われ、DCS療法2コースを施行し、1例は腹部にbulkyなリンパ節転移を認める食道胃接合部癌で、DCS療法を4コース施行した。2症例はリンパ節転移を伴うU領域胃癌で、DCSを3コース思考した。NAC後の効果判定はそれぞれ、膵浸潤を認めた2例はSD、食道胃接合部癌症例はPR、U領域胃癌の2例はSD、PRであり、全症例に対してR0切除術が施行できた。有害事象はG3の白血球減少、G4 の好中球減少を2例に認め、うち1例は有熱性好中球減少を併発した。各薬剤の2コースでの相対的用量強度(RDI)の平均値は、Docetaxel : 98.7%、CDDP : 97.3%、S-1 : 87.4%であった。好中球減少のNadirは平均でDay11であり、Grade4の好中球減少を呈した3例中2例では特にS-1のRDIが71.4%, 65.5%と低くなる傾向がみられた。またRDIがD、C、Sとも100%で保つことのできた3例中1例において組織学的効果判定Grade3が得られた。S-1のRDIが低値であった2例ではそれぞれGrade1a、1bであった。<考察>Docetaxel+CDDP+5FUの3者併用は米国のRCTで5FU+CDDPを上回る全生存率を示した。その延長線上で開発されたDCS療法では第2相試験で奏効率81~87%、PD率0%など、驚異的な奏効率も報告されている。しかし今回の使用経験では、少数例の検討ながら、期待された効果を得ることはできなかった。DCSレジメンにおける最大の問題点は好中球減少であり、このために胃癌のキードラッグであるS-1の RDIが低くなる症例がみられ、DCSの奏効率を下げる可能性が考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

前へ戻る