演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌術後補助化学療法と栄養状態との関係性

演題番号 : P47-4

[筆頭演者]
川本 浩史:1 
[共同演者]
上田 修吾:1、後藤 徹:1、岩村 宣亜:1、戸田 怜:1、井上 善景:1、吉冨 摩美:1、内田 洋一朗:1、飯田 拓:1、野村 明成:1、寺嶋 宏明:1

1:公益財団法人医学研究所北野病院 消化器センター外科

 

【はじめに】ACTS-GC試験において胃癌StageII, IIIの症例では術後TS-1の1年間の内服により3年生存率において約10%の上乗せ効果があることが示されており、現在では標準治療となっている。しかし有害事象によりTS-1の内服継続が困難となるために、減量や休薬期間の調整を余儀なくされるケースが多い。そこでTS-1の内服継続性を左右する因子として栄養状態に着目し、生存期間および無再発生存期間を含めた解析を行った。【方法】当院で2006年から2010年の5年間に手術を行った症例のうち、pStageII, IIIA, IIIB(胃癌取り扱い規約第13版)の症例で、術前化学療法を行っていない77例につき検討した。男:女=44:33、年齢 47-90歳(中央値 69)、術式の内訳は幽門側胃切除42例、噴門側胃切除1例、胃全摘34例であった。病期別ではStageII 44例、StageIIIA 21例、StageIIIB 12例であり、TS-1内服ありが45例(StageII 25例, StageIIIA 11例, StageIIIB 12例)、内服なしが32例(StageII 19例, StageIIIA 10例, StageIIIB 3例)であった。【結果】まずTS-1内服の有無による層別化では生存日数(OS), 無再発生存日数(RFS)ともに両群間では有意差を認めなかった(【OS】25%値1035日vs849日 p=0.39、【RFS】25%値 571日vs340日, p=0.36)。さらにTS-1内服完遂率を【実際に内服したTS-1の量】を【当初予定していた内服総量】で除したものと定義し【以下RP値(Relative Performance)と表現】、その割合が0.7以上のものを「高完遂率群(H)」、0.7未満のものを「低完遂率群(L)」とし比較したが(H:L=23:22)、この両群間でOSおよびRFSにおいて有意差は認めなかった(【OS 】25%値 1801日vs920日, p=0.14、【RFS】25%値 1348日vs276日 p=0.15)。また栄養状態について術前およびTS-1内服開始時の血清アルブミン値がいずれも3.5g/dL以上のものを「良」群、いずれかが3.5g/dL未満であるものを「不良」群と群分けしそれぞれの群のRP値の分布を検討したところ、不良群(n=1)では平均値 0.063、「良」群(n=44)では平均値0.649(標準偏差0.325, 標準誤差0.049)であった。【結語】今回のretrospectiveな解析においては、栄養状態とTS-1内服完遂率との間に有意な関係性を見出すことはできなかった。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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