演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Von Recklinghausen病に発症した十二指腸GISTに対し十二指腸部分切除を施行した1例

演題番号 : P45-15

[筆頭演者]
播摩 裕:1 
[共同演者]
伊藤 達雄:1、山田 真規:1、福垣 篤:1、前本 遼:1、宮本 匠:1、森野 甲子郎:1、信藤 由成:1、豊田 英治:1、杉本 真一:1、高村 通生:1、武田 啓志:1、橋本 幸直:1、徳家 敦夫:1

1:島根県立中央病院 外科・乳腺科

 

【はじめに】Von Recklinghausen病に種々の腫瘍を発症した報告は多数みられるが、今回、十二指腸にGastrointestinal stromal tumor (GIST)を認め、十二指腸部分切除術を施行した1例を経験したので報告する。【症例】48歳男性。既往歴としてVon Recklinghausen病を認める。腹痛と下血を主訴に近医を受診し、精査のため当院紹介となった。上部消化管内視鏡を施行したところ、十二指腸水平脚に粘膜下腫瘍を認め、その頂部に潰瘍を形成し出血していた。これに対して内視鏡的に止血を行った。腫瘍の生検を行ったが、確定診断には至らなかった。CTでは膵鉤部から十二指腸に33*28*26mm大のだるま型の腫瘤を認めた。動脈相で腫瘤表面は造影効果を受けているが内部は相対的に低吸収で、腫瘤下縁が十二指腸水平脚に突出していた。MRIでも同様の部位に32*24*20mm大の楕円形で境界は比較的明瞭な腫瘤を認め、T1強調画像で膵実質より低信号、T2強調画像で軽度高信号、拡散強調画像では高信号であった。腫瘤は膵近傍では中程度造影効果を受けているが、十二指腸水平脚に突出する部位では腫瘤表面にリング状の濃染を認めた。内視鏡の所見と合わせて、膵鈎部の腫瘤ではなく、膵鈎部に接する十二指腸粘膜下腫瘍と考えられた。術中所見では十二指腸水平脚の膵付着側に粘膜下腫瘍を認めたが、膵とは剥離することができたため、十二指腸部分切除を施行し、切除部位は一次閉鎖した。術後は4日目に消化管造影を行い、明らかな狭窄や縫合不全は認めず、5日目より食事を開始し、11日目に退院した。摘出した腫瘍は病理組織学的にはc-kit、CD34ともに陽性であり、GISTの診断であった。核分裂は目立たず(≦5個/50HPF, G1)、低リスク群に相当し、現在は経過観察中である。【考察】Von Recklinghausen病に発症した十二指腸腫瘍に関する報告は150例以上あり、GISTの報告は3分の1程度ある。また、多くは多発性であり、小腸での報告は多いが、単発性の十二指腸GISTの報告は少ない。一方、十二指腸GISTに対する切除術式として膵頭十二指腸切除も報告されているが、過大侵襲となる場合もある。しかし、十二指腸部分切除は低侵襲である。今回、我々は単発性の十二指腸GISTに対して十二指腸部分切除を施行し、良好な経過をとった症例を経験した。症例によっては十二指腸部分切除を考慮すべきであると考える。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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