演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術前TS-1療法が著効した巨大十二指腸粘液癌の1例

演題番号 : P45-14

[筆頭演者]
山本 澄治:1 
[共同演者]
宇高 徹総:1、橋本 好平:1、佐藤 博紀:1、遠藤 出:1、井野川 英利:1、久保 雅俊:1、曽我部 長徳:1、前田 宏也:1、水田 稔:1

1:三豊総合病院 外科

 

【目的】上行結腸に穿通した巨大十二指腸粘液癌に対し、TS-1による術前化学療法が著効し、治癒切除可能となった1例を経験したので報告する。【症例】64歳 女性 4カ月前より右下腹部のしこりを自覚していたが、同部に疼痛も自覚するようになり近医を受診。高CEA血症とCTにて右腹腔内腫瘤を指摘され当院受診。受診時、血液検査にてCEA: 1417.7 ng/mlと高値を認めた。CTにて右腹腔内に径10cm大の空洞形成を伴い十二指腸・上行結腸に穿通し、横行結腸へ浸潤する巨大腫瘍と下大静脈に浸潤が疑われるリンパ節転が認められた。上部内視鏡検査にて十二指腸下行脚乳頭部対側に2型の腫瘍が確認された。生検にてmucinous adenocarcinomaの診断から、内科にて切除不能十二指腸癌の診断にてTS-1単独療法が開始された。経過中CEA:860.7 ng/mlと著効を認めたが、腫瘍と空洞内膿瘍による疼痛・発熱・貧血の症状の進行を認め、またTS-1療法の継続も困難となり、本人と家族の希望もあることから切除目的に外科紹介となった。TS-1は3週間内服したところで2週間休薬し手術を施行。下大静脈とリンパ節は剥離可能であったため、幽門輪温存膵頭十二指腸切除、乳頭部癌に準じたD2郭清と右半結腸切除術を施行し、一塊に腫瘍を摘出した。術後診断は十二指腸癌、mucinous adenocarcinoma, med, INFb, pSI(Ascending colon), ly0,v0,pPM0.pDM0。 下大静脈に接した#13bにのみ1個リンパ節転移を認めた。術後34日で退院となり、術前TS-1の著効を認めていたことから、TS-1による術後補助化学療法を施行。術後3カ月経過したところでCEA:2.5 ng/mlと正常化を確認し、術後10カ月経過も再発転移は認められていない。 【結語】十二指腸癌の報告は少なく特に粘液癌は少ないが、予後不良とされている。今回TS-1単独療法が奏功した巨大十二指腸粘液癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えこれを報告する。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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