演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃GIST術後補助療法中の再発病変に対し外科切除を行った一例

演題番号 : P45-12

[筆頭演者]
原 尚志:1 
[共同演者]
高橋 剛:1、中島 清一:1、宮崎 安弘:1、黒川 幸典:1、山崎 誠:1、宮田 博志:1、瀧口 修司:1、森 正樹:1、土岐 祐一郎:1

1:大阪大院 医研科 消外学

 

【はじめに】Imatinib Mesilate(IM)は、リスクの高いgastrointestinal stromal tumor(GIST)に対し外科切除後の生存期間を延長することが知られており、ガイドライン上も切除・不能再発症例に対する第一選択の治療法とされる等、近年の分子標的治療の成功モデルとなっている。一方、実臨床上は種々の耐性例が見受けられ、耐性獲得の機序解明とその具体的な対策が課題となっている。我々は、胃GIST術後補助化学療法中に腹膜再発病変を生じ再切除した症例を経験した。本症例を遺伝子変異の解析結果とともに報告する。【症例】57歳男性。45歳時に非ホジキンリンパ腫(NHL)に対して骨髄移植を施行され完全寛解を得た後、タクロリムスおよびステロイド内服による免疫抑制療法を継続されていた。検診目的で施行された上部消化管造影検査にて胃粘膜下腫瘍(SMT)を指摘され当科を受診、上部消化管内視鏡検査で胃大彎後壁に最大径4cmのSMTを認めた。PET-CT検査では同部にFDGの高集積を認めたが、その他に転移所見なく手術適応と考え、腹腔鏡補助下胃局所切除を施行した。病理検査の結果、KIT(+)、CD34(+)、desmin(-)、S100(-)よりGISTと診断された。最大径が6 cm、核分裂像が13/10 HPFであり、modified Fletcher分類上高リスクGISTと診断、また遺伝子変異解析の結果、KIT exon11の欠失型変異を認めIM応答型であったため。NHLに対する免疫抑制療法中であることを考慮しIM300mg/日による術後補助化学療法を開始した。9か月後の腹部CT検査で上腹部に10mmの再発を疑う腫瘍性病変を認め、IMを400 mg /日へ増量した。1ヶ月後の腹部CT再検では27mmと病変の増大を認め、腹膜播種再発病変と確診。画像検査上他病変は認めず再手術の方針とした。開腹所見では、大網に腹膜播種病変を認めたが、肉眼的には他病変を認めず外科的切除を施行した。遺伝子変異解析の結果、上記初発変異に加えてKIT exon13の点変異を認め二次遺伝子変異を確認した。現在IM400 mg /日を継続し厳重に経過観察中である。【考察】切除不能再発GISTに対するIMの耐性の原因として、二次遺伝子変異の報告が散見されるが、術後補助化学療法中の再発病巣についても、本症例のように二次遺伝子変異を認める場合があることが確認され、その関連が示唆された。【結語】胃GIST術後補助療法継続中、腹膜再発を認め耐性獲得を認めた病変に対し切除し得た一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:分子標的治療

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