演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌術後化学療法中に下大静脈血栓症を生じた1例

演題番号 : P45-10

[筆頭演者]
岡 義雄:1 
[共同演者]
上村 尚:1、岡田 かおる:1、中根 茂:1、三宅 泰裕:1、桧垣 直純:1、村上 雅一:1、林田 博人:1、根津 理一郎:1

1:西宮市立中央病院 外科

 

(背景)静脈血栓塞栓症(VTE)は多くは無症候性で進行するが、一旦肺血栓塞栓症を発症すると突然死に至ることも少なくない。以前より癌自体が血液凝固系を亢進することがわかっており、化学療法などの修飾が加わることでさらに凝固能が亢進すると言われている。(目的)今回われわれは、進行胃癌術後TS-1+CDDP療法を行っていた最中に下大静脈血栓症をきたした1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。(症例)60代男性。進行胃癌(por1、Type 3、M、circ、cT4aN1M0、Stage IIIA)の診断で2012年3月に手術。腫瘍は膵頭部に浸潤していて、腹膜結節も認めたため胃空腸吻合術を行った(sT4bN1M1、Stage IV)。同年4月下旬よりTS-1+CDDP療法を開始した。6コース終了後の11月下旬にCT検査を行ったところ、腹水が増加しており、下大静脈内に経1cm、9cm長の血栓を認めた。下肢腫脹などの症状はなかった。化学療法のレジメンをTS-1+タキソテール療法に変更し、warfarinの内服を開始した。2コース施行後のCT検査では、腹水は減少し、血栓も縮小していた。3コース行ったところ本人がTS-1単剤を希望されたので単剤とした。4月初めのCT検査では、腹水はかなり減少し、血栓も消失していた。現在TS-1単剤療法を行いながらフォローアップ中である。(結語)VTEは周術期のみならず、化学療法施行中にも起こり得る。進行胃癌術後に化学療法を行う場合、有害事象としてVTEの発症の可能性も念頭に入れながらフォローアップし、発症時には速やかに抗凝固療法を開始し、レジメン変更に関しては効果判定を見て検討すべきと考える。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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