演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

集学的治療が奏功し、長期生存が得られている高度進行胃癌の1例

演題番号 : P45-8

[筆頭演者]
岡田 一幸:1 
[共同演者]
戎井 力:1、柳沢 哲:1、岡村 修:1、福地 成晃:1、村田 幸平:1、横内 秀起:1、衣田 誠克:1

1:市立吹田市民病院 外科

 

[はじめに]腹腔洗浄細胞診陽性(CY+)胃癌は腹膜播種の前段階と考えられており,生命予後は約1年との報告が多いことから,手術加療の是非については一定の見解が得られていないのが現状である.今回,緩和手術および抗癌剤治療による集学的治療を行い,比較的長期生存が得られている高度進行胃癌の1例を経験したので報告する. [症例] 34歳男性.2009年12月に心窩部痛を主訴に施行した内視鏡検査にて,胃体部の4型進行胃癌と診断され,当院を受診された.腹部CT検査では膵臓への広範囲浸潤が疑われ,腫瘍マーカーはCEA 206ng/mlと上昇を認めた.審査腹腔鏡検査ではP(-),CY(+)であった.根治切除は困難と判断し,抗癌剤治療を選択した.S-1(80mg/m2,day1-21)/CDDP (60mg/m2,day8) 療法を2コース施行した.加療後には腫瘍マーカーは正常化し,内視鏡検査でも腫瘍は著明な縮小を認め,抗腫瘍効果はPRと診断された.2010年4月に根治切除が可能かを判断するために試験開腹術を施行した.腹腔洗浄細胞診は陽性であったが切除可能であったため,胃全摘術及びD2リンパ節郭清術,R1手術を施行した.最終病理診断は,ypT3ypN3a(11個)ypM1(CY+) StageIV,抗癌剤による抗腫瘍効果はGrade2であった.術後化学療法は,患者の希望もありS-1(80mg/m2)内服のみで開始した.2011年4月にCEA 24ng/mlと再上昇を認め,腹膜播種の再燃と判断し,抗癌剤レジメンをS-1(80mg/m2,day1-21)/CDDP(60mg/m2,day8) 療法に変更した.徐々にCEA値は低下傾向を示したが,3コース施行後に再上昇したため,Weekly PTX療法(80mg/m2)にレジメン変更した.徐々にCEA値は低下傾向を示したが,7コース施行後に再上昇し,腹部CT検査にて肝転移巣,腹膜播種巣の出現を認めたため,S-1(80mg/m2,day1-21)/CPT11(80mg/m2,day1,8)療法に変更した.4コース施行したが,画像検査にて肝転移巣,腹膜播種巣,傍大動脈周囲リンパ節の増大を認め,抗腫瘍効果はPDと判断されたたため,S-1(80mg/m2,day1-14)/DTX(40mg/m2,day1)療法に変更した.3コース施行し現在に至るが,CEA値は低下傾向を示し,画像上は病状の進行は認めていない.本症例は治療開始から約3年6か月になるが,比較的QOLが維持できた状態で生存されている.[まとめ]高度進行胃癌症例に対しては減量手術,抗癌剤治療といった集学的治療を行うことで,良好なQOLを保ちながら延命可能であることが本症例の経験から示唆された.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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