演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

集学的治療により長期生存中の胃癌頭蓋内硬膜転移の1例

演題番号 : P45-6

[筆頭演者]
杉本 彩:1 
[共同演者]
中水流 正一:1、坂根 貞嗣:1、田村 猛:1、岩崎 竜一朗:1、岩崎 哲也:1、長谷川 裕子:1、榊原 祐子:1、山田 拓哉:1、外山 隆:1、石田 永:1、平尾 素宏:2、児玉 良典:3、三田 英治:1

1:国立病院機構大阪医療セ 消化器内科、2:国立病院機構大阪医療セ 外科、3:国立病院機構大阪医療セ 臨床検査科

 

【はじめに】頭蓋内硬膜転移は進行癌患者の剖検例の約9%にみられるが、消化器癌からの硬膜転移の頻度は少ない。今回、頭蓋内硬膜転移を契機に発見された胃癌の長期生存症例を経験したので報告する。【症例】77歳、男性。2008年10月、ふらつきと嘔気を主訴に近医を受診。頭部CTで小脳腫瘍を疑われたため、脳神経外科専門病院に紹介された。同年11月脳腫瘍摘出術を施行され、病理組織検査で腺癌の硬膜転移と診断された。原発巣精査目的の上部消化管内視鏡検査(EGD)で進行胃癌を指摘され、精査加療目的に当科に転院となった。当科で施行したEGDでは胃体上部から噴門にかけて2型胃癌を認め、CTで胃小彎側に36mm大のリンパ節腫大を認めたが、肝臓や肺への転移はなかった。治療は、患者が高齢者であることと内服薬による治療を希望したため、12月からS-1単独療法を開始した。2コース後のCTで小彎リンパ節は著明に縮小し、EGDでも胃癌の縮小を認めたためPRと判定したが、4コース後のEGDで胃癌原発巣の増大を認めた。2009年6月からS-1+シスプラチン併用療法に変更したが、2コース後のEGDで胃癌増大を認めた。同年10月からイリノテカン+シスプラチン併用療法に変更したが、2010年6月のEGDで胃癌は増大傾向となり、7月のFDG-PETで小彎リンパ節に異常集積を認めた。初回化学療法から1年7ヶ月間、新たな転移の出現がなかったため、十分なinformed consentを行い、胃全摘術を施行した。術後化学療法なしで経過観察し、胃全摘術後2年10ヶ月間無再発生存中である。【考察】頭蓋内硬膜転移を診断されてからのMSTは9.5ヶ月と報告されているが、本例は頭蓋内硬膜転移巣切除後4年6ヶ月生存中である。本例のように単発で切除可能な頭蓋内硬膜転移症例であれば、積極的治療により長期生存が得られる可能性がある。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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