演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

脈絡膜転移再発をきたした食道悪性黒色腫の一切除例

演題番号 : P44-13

[筆頭演者]
柴本 峰彩子:1 
[共同演者]
尾崎 麻子:1、橋本 貴史:1、諫山 冬実:1、天野 高行:1、富田 夏実:1、岩沼 佳見:1、鶴丸 昌彦:2、梶山 美明:1

1:順天堂大医学部附属順天堂医院 食道・胃外科、2:順天堂大医学部附属順天堂医院 がん治療センター

 

食道悪性黒色腫は食道悪性腫瘍の0.1–0.3%を占める極めてまれな疾患で,肺、肝、脳などに高率に血行性転移をきたす腫瘍である。また、転移性脈絡膜腫瘍においては、乳癌や肺癌からの転移の報告はあるが、食道悪性黒色腫からの転移は本邦では未だ報告がない。今回、われわれは食道悪性黒色腫の術後に、眼症状を契機として脈絡膜転移、多発肺転移、多発肝転移が認められた貴重な一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
【症例】60才男性。胃癌術後、直腸癌術後のフォローアップの上部内視鏡検査で食道悪性黒色腫を指摘され、精査・治療目的で当科紹介受診された。上部消化管造影検査では食道Lt領域に26mm大の隆起性病変を認め、上部消化管内視鏡検査では切歯より33-35cmの食道に0-Ι型腫瘍を認めた。上部内視鏡超音波検査の所見からも深達度はSM2–3と考えた。造影CT検査ではNo.106recRやNo.2にリンパ節を散見したが、明らかに転移を疑う所見はなく、切除可能と考えc–T1bN0M0, c–stageΙの診断で右開胸開腹食道胃上部切除、3領域リンパ節廓清、回結腸再建を施行した。病理結果はpT2, INFa, ly0, v2, nː2⁄70(No.106recR, No.104), p–stageIIIであった。術後はわずかな縫合不全等を合併したが保存的治療にて改善し、65PODに退院された。退院後は、手術にて根治を得たとの判断で、免疫療法を継続しながら外来で経過観察されていたが、術後6か月に右眼痛を主訴に眼科を受診したところ右脈絡膜転移が疑われた。また、全身CT検査では、多発肺転移、多発肝転移の所見が認められ、現在、化学療法の方針で入院中である。
【結語】食道悪性黒色腫は、極めて稀で予後の悪い腫瘍であり、術後の治療に関しても未だ確立されておらず、5年以上の生存例は全体の5%,T1N0症例に対して手術を行った場合以外に長期生存はほぼないとの報告もある。本例でも、術前診断ではT1bN0であり根治切除可能と考えられたが、病理結果はやや進行した腫瘍であり、追加治療の必要性も検討する余地があったと考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:手術療法

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