演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胸部気管リンパ節にPET集積を認め,胸腔鏡下食道切除術を施行した食道胃接合部癌の1例

演題番号 : P44-7

[筆頭演者]
伊藤 希:1 
[共同演者]
辻本 広紀:1、平木 修一:1、高畑 りさ:1、吉田 一路:1、松本 佑介:1、堀口 寛之:1、野村 信介:1、小野 聡:2、山本 順司:1、長谷 和生:1

1:防衛医科大学校外科学講座 、2:防衛医科大学校 防衛医学研究センター 外傷研究部門

 

【背景】近年、悪性腫瘍の病期・再発診断におけるFDG-PET/CT検査の有用性が注目されている.一方でFDG-PET/CTは,感度・特異度の面でCT検査を凌駕できるものとは言い難い.また食道胃接合部癌の病気と治療方針は,胃癌取扱い規約,食道癌取扱い規約のいずれを準拠するかにより異なる.今回食道胃接合部の進行癌症例で,術前に気管分岐部リンパ節にFDG-PETの集積を認め,胸腔鏡下に食道切除術を施行した1例を経験したので,その経過と問題点について考察したい.【症例】60歳代 男性 【主訴】心窩部痛 【現病歴】2011年夏頃より心窩部痛が出現し,近医で内視鏡検査の結果,Siewert III型の食道胃接合部癌と診断された.CT検査およびFDG-PET/CT検査の結果,左気管気管支リンパ節(#106tbL)に径20cmのFDG-PETの集積を伴う結節影を認めたため同部位の転移と診断され,当科に紹介となった.【既往歴】特記すべきものなし.【検査所見】血液学的検査では,異常を認めなかった.腫瘍マーカーはCEA,CA19-9,CA125とも正常範囲内であった.腫瘍は胃食道接合部に潰瘍底を有する8cm大のtype3病変で,生検では低分化型腺癌であった.造影CT検査では#106tbLのほか,胃小彎側リンパ節が腫大していた.審査腹腔鏡では食道胃接合部に漿膜変化を伴う腫瘍を認めるほか,腹膜播種は認められず,腹水洗浄細胞診でもCY0であった.以上から,食道癌取扱い規約では,GE T3N4M0 Stage IVa,胃癌取扱い規約では,T4a(SE)N1M1(LYM) Stage IVと診断された.本人・家人への十分なICのもと,進行食道癌に準じてFP療法を2クール施行後,腹臥位胸腔鏡下食道亜全摘・後縦隔経路胃管再建術を施行した.病理組織学的検査では,胃小弯リンパ節(#3)に3個の転移を認めたが,#106tbLとして摘出された組織には,繊維化を伴う泡沫状組織球の浸潤が高度に認められ豊富な粘液を伴っていたが,腫瘍細胞は検出されなかった.【結語】食道胃接合部癌に対する縦隔リンパ節郭清の意義は明らかにされておらず,またその多くは画像診断に頼らざるを得ない.FDG-PETの集積する病態としては,腫瘍性病変・脳や尿路系の生理的集積のほか,炎症性変化などが挙げられる.本症例のような偽陽性の可能性にも留意しつつ,個々の患者において諸検査結果と合わせ総合的に判断する必要がある.

キーワード

臓器別:食道

手法別:診断

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