演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌におけるHMGB-1発現と化学放射線療法治療効果の関連

演題番号 : P43-10

[筆頭演者]
高畑 りさ:1 
[共同演者]
小野 聡:2、辻本 広紀:1、神籐 英二:1、平木 修一:1、松本 佑介:1、吉田 一路:1、木村 暁史:1、堀口 寛之:1、野村 信介:1、青笹 季文:1、山本 順司:1、長谷 和生:1

1:防衛医科大学校 外科、2:防衛医科大学校 研究センター外傷研究部門

 

HMGB-1は様々な腫瘍組織において正常組織に比較し高発現であり、転移や治療効果に関与すると報告されている。我々は、食道癌術前血中HMGB-1値と術前治療の効果に相関があることを報告してきたが、今回、根治的化学放射線療法(CRT)を施行した食道癌患者における組織中HMGB-1発現の測定意義について検討した。【方法】2011年~2012年の間、当科にて食道癌に対してCRTを施行した10例を対象とし、血清中及び組織中HMGB-1の推移について検討した。CRT施行前、後に血清を採取しELISA法にてHMGB-1濃度を測定した。また、治療前後の内視鏡検査にて採取した生検検体を用いてHMGB-1の免疫組織学的染色を施行した。判定は、400倍視野にて食道癌部分の1視野あたりのHMGB-1陽性細胞を計3視野にて計測、3視野の平均値を測定値と規定した。治療前後における血中及び組織中HMGB-1の発現の推移を比較するとともに、CRT施行前、CRT施行後の血中HMGB-1濃度と組織中HMGB-1発現細胞数の相関について検討した。【結果】平均年齢は71.6±3.3歳、10例すべて男性であり、照射線量の平均値は58.2Gyであった。血清HMGB-1値はCRT前6.08±1.9ng/mlに対してCRT後3.13±1.7ng/mlと減少していたが、有意差は認めなかった。CRT治療効果別に検討すると、RECISTにてPR/CRの8例については全例治療後に血清HMGB-1値が低下していたが、PD/SDの2例については増加、あるいは不変であった。食道癌組織中におけるHMGB-1陽性細胞はCRT前72.6±3.8個/400倍視野に対してCRT後は25.1±13.0個/400倍視野と有意に減少していた(P<0.05)。CRT施行前、施行後において血清HMGB-1値と組織中HMGB-1陽性細胞数の相関を見ると、CRT前では相関は認めなかったが、CRT後においては正の相関を認めた(R=0.979、P<0.001)。【まとめ】CRTによる治療効果が得られた症例では、血中・組織中におけるHMGB-1の発現の低下が認められた。CRT後については血中と組織中HMGB-1発現が相関しており、今後さらなる症例の蓄積による検討が必要であるが、血中のHMGB-1値が食道癌の放射線治療効果や治療感受性に関わっていることが示唆された。

キーワード

臓器別:食道

手法別:放射線治療

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