演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

M1b食道癌症例に対する外科的切除の意義

演題番号 : P43-9

[筆頭演者]
三上 城太:1 
[共同演者]
宮田 博志:1、山崎 誠:1、高橋 剛:1、黒川 幸典:1、中島 清一:1、瀧口 修司:1、森 正樹:1、土岐 祐一郎:1

1:大阪大学消化器外科

 

【目的】他臓器転移を伴う(M1b)食道癌の予後は極めて不良であり,5年生存率は5.5%程度である.しかし近年では化学療法,放射線療法の奏功率の上昇とともに,遠隔転移の制御ができる症例もみられるようになってきた.M1b食道癌に対する治療は遠隔転移制御と局所制御のバランスが必要である.今回,M1b食道癌症例に対して,集学的治療および予後を検討するとともに,局所制御を目的とした手術治療の可能性について検討した.【対象と方法】当科において1995年~2011年の間に治療を行った,M1b食道癌症例61例を対象とし,それらの背景因子,治療内容,生存期間についてretrospectiveに解析し,手術加療やT因子による生存期間の違い,および長期生存例の特徴について検討した.【結果】男女比は53:7,年齢の中央値は63歳 (29-81歳)であった.深達度はT1:1例、T2:9例、T3:32例、T4:18例であり,リンパ節転移陽性は54例であった.また,T4症例の浸潤部位は大動脈:5例,気管:6例,甲状腺:1例であった.遠隔転移の部位は肺:27例,肝:24例,骨:11例,副腎:2例,脾臓:2例,脳:2例であり,そのうち14例は複数臓器に転移を認めた.初回治療は化学療法:43例,放射線療法:2例,化学放射線療法:12例,手術:3例であった.全治療期間中に47例にCT,28例に(C)RTが施行された.また17例に対して食道切除手術を行い,11例にステント挿入を行った。全生存期間はMST:330日 ( 230-430日)であり,また転移臓器別にみると肺転移21例,肝転移15例,その他24例のMSTはそれぞれ543日,295日,298日で肺転移症例は他の症例よりも有意に予後が良好であった(P=0.001).切除症例17例のうち14例は転移巣の切除も行った.初回手術例3例は単発(肝1例,副腎1例,脾臓1例)で,その他の症例はCRTまたはCTでPR以上の効果が得られていた.手術関連死はなく,切除例17例と非切除例のMSTはそれぞれ330日,325日であった(P=0.253).またT4症例18例とT4以外の症例42例のMSTはそれぞれ325日,408日であった(P=0.537).3年以上の長期生存が得られたのは5例(切除3例,非切除2例)で,全例CRTまたはCTでPR以上の効果が得られていた.【結語】肺転移単独症例の予後は他臓器への転移症例に比べて良好であった.また,化学療法,放射線化学療法により遠隔転移の制御が可能であれば,局所制御を目的とした手術も治療法の選択肢となりうる可能性があると考えられた.

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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