演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

cT4食道癌に対する術前補助療法後手術の治療成績と治療戦略

演題番号 : P43-6

[筆頭演者]
高川 亮:1 
[共同演者]
渡邉 純:1、南 裕太:1、盛田 知幸:1、茂垣 雅俊:1、舛井 秀宣:1

1:横須賀共済病院 外科

 

【目的】食道癌診断・治療ガイドラインではcT4食道癌に対して術前補助療法を考慮するとされている。当院での術前補助療法後の治療成績を提示し、cT4食道癌に対する治療戦略を検討した。【対象と方法】2004年1月から2013年3月まで当院で術前補助療法を施行したcT4食道癌18例を対象とし、治療成績を検討した。【結果】18症例中6例に化学療法(CT群:FP療法)、12例に化学放射線療法(CRT群:FP+Rad)が選択された。CT群はFP2コース、CRT群はFP2コース+Rad40Gy終了後に治療効果判定を行い、根治術が可能と判断された場合は手術を選択した。その結果、CT群では3例に、CRT群は8例(計11例(61%))に開腹・開胸胸部食道切除術、胃管再建、後縦隔経路が施行可能であった。手術不可能であった7例はPD4例、SD3例であった。平均手術時間は419分、平均出血量は653mlであり、癌遺残度はR0/R1/R2=2/4/5であった。術後の病理組織学的壁深達度はpT4が2例、pT3が7例であり、組織学的効果判定はGrade2以上がCT群はなく、CRT群で4例に認め、うち2例はpCRであった。手術に伴う合併症は4例(うち縫合不全2例、反回神経麻痺1例)であり、平均在院日数は25.2日であった。在院死亡はCRT群で1例認めた。CT群は3例中1例、CRT群は8例中5例に治癒的切除(R0/1)が可能となった。両群の治療成績はCT群:CRT群=10.6M:11.6Mであり、有意差を認めなかったが、CRT群でR0/1切除がされた4例はいずれも再発を認めず、外来経過観察中である。また2年以上の長期生存3例認め、うち2例はCRT群であった。手術が不可能であった非手術療法群7例のMedian survival time(MST)は9.8Mであり、R2手術群のMST9.2Mと同等であった。【結語】cT4食道癌の治療成績の向上には術前補助療法は必要と考えられるがFP療法のみでは治癒的切除に持ち込める症例は少ない。生存期間の延長のためにはR2切除の意義はなく、CRTまたはより強力な抗癌剤の使用により、治癒的切除を目指す必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

前へ戻る