演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌術後局所再発症例の予後因子

演題番号 : P40-15

[筆頭演者]
山口 由美:1 
[共同演者]
尾崎 佳三:1、上田 毅:1、建部 茂:1、山代 豊:1、柴田 俊輔:1、石黒 稔:1、西土井 英昭:1

1:鳥取赤十字病 外科

 

(はじめに)乳癌術後に遠隔転移を伴わず、局所再発のみを認める症例に遭遇する場合がある.これらの局所再発症例は、局所に限局して予後良好な症例と、やがて他臓器に転移して全身疾患となる症例がある.再発時に全身疾患へ進展していく症例を予測できれば、適切な治療を選択し、患者の予後の改善につながる可能性もある.そこで、乳癌術後局所再発症例を対象に予後因子に関して検討を行った.(対象と方法)2000年以降の再発症例のうち、乳房切除術、乳房温存術後に皮膚、乳房内、胸壁再発を認め、リンパ節転移や遠隔転移を伴わない23例を対象とした.患者の手術時の平均年齢は52歳、初回手術は乳房温存術が14例、乳房切除術が9例であった.初回手術時の組織型は浸潤性乳管癌が20例、浸潤性小葉癌が1例、非浸潤癌が2例であった.ER陽性例は15例、陰性例は8例、HER2陽性は5例、陰性は16例、不明が2例であった.初回手術で切除断端陽性例は3例であり、両側乳癌症例が4例含まれていた.これらを対象として、年齢、術式、脈管侵襲、ER、HER2、subtype、初回手術後化学療法、再発後治療と再発後の生存期間との関係を検討した.(結果)手術後、局所再発を起こすまでの期間の中央値は1299日であった.局所再発の発見後、無増悪生存期間中央値は464日、局所再発からの生存期間中央値は1726日であった.再発後生存期間はリンパ管侵襲、静脈侵襲陽性例、ER陰性例で有意に不良であり、初回術後に化学療法を行った症例は化学療法なしの症例に比較して不良であった.しかし、年齢、初回術式、再発後の切除の有無、化学療法の有無と再発後生存期間の関連は認めなかった.Subtypeをluminal type、HER2 type、Triple negative typeと分類すると、それぞれ10例、5例、6例であり、再発後生存期間はHER2 typeが最も良好で、次いでluminal typeと続き、Triple negativeが最も予後不良であった.(考察とまとめ)HER2陽性乳癌は一般的に予後不良とされているが、局所再発時に局所治療とともにトラスツズマブと抗がん剤を用いていたため、病勢のコントロールが良好であった.初回手術時の脈管侵襲陽性例、ER陰性例は局所再発が全身疾患につながる可能性が高いと考えられる.また、Triple negativeは特に予後不良であるため、局所再発といえども強力な集学的治療を行っておくべきと考えられた.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:その他

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