演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

3期乳癌の初回治療は病院群別に大きく異なった-院内がん登録全国集計の分析より

演題番号 : P40-13

[筆頭演者]
山下 夏美:1 
[共同演者]
寺本 典弘:1、原 文堅:2

1:四国がんセ 臨床研究セ がん予防・疫学研究部、2:四国がんセ 乳腺科・化学療法科

 

【はじめに】2009年診断症例より全国のがん診療連携拠点病院の院内がん登録集計データが公開され、自施設と全国とのがん診療状況の比較が可能となった。2010年報告書によると全国の拠点病院での乳癌のcStage3期の治療法は、『手術+薬物』が最も多く43.9%、『手術+薬物+放射線』が27.8%である。しかし、乳癌診療ガイドラインによると3期の大半は『手術+薬物+放射線』の適応となるはずである。そのため、がん診療連携拠点病院の中でも行われている治療法にばらつきがあると考え、検討を行った。
【方法】がん診療連携拠点病院院内がん登録2010年全国集計報告書(国立がん研究センターがん対策情報センター院内がん登録室)を用い、部位別登録割合を変数とし階層型クラスター分析を行い、387施設の拠点病院を分類した。クラスターごとに乳癌のcStage別の治療法について、群間および当院との比較検討を行った。
【結果】クラスターの数は10とした(K1~K10)。乳房登録数が多い5つのクラスター (K1, K2, K4, K6, K9)を比較対象とした。K1は主に当院のようながん専門病院(17施設)、K2は大学病院系(68施設)が含まれた。K4は多くの部位において平均に近い登録割合であるが、血液系の登録がやや高い群(46施設)、K6は134施設と最も施設数の多い群、K9は乳房の登録割合が高い群(36施設)であった。乳房登録数はK2とK6で全登録の約半数を占めるが、一施設あたりの登録割合はK1とK9で高かった。cStage3期の『手術+薬物+放射線』の治療割合は、K1で高く(48%)、次いでK9(35%)、他は20%台であった。一方、『手術+薬物』の治療割合は、K1、K9では30%台であったが、K2では45%、K4では46%、K6では48%であった。
【考察】 cStage3では再発リスクを抑制するために放射線を含む集学的治療が標準的治療である。クラスター間で治療法選択が異なることから、治療にあたる乳腺医のレベルや施設における集学的治療の設備にばらつきがある可能性が示唆された。がん診療連携拠点病院は、質の高いがん医療の均てん化を図ることを目的に整備された病院であるが、集学的治療が行える施設、専門的な知識を有する医師等は十分でなく、機能に応じた集約化や医療連携が必要であると考える。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:その他

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