演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌の針生検における病理診断精度の検討

演題番号 : P40-5

[筆頭演者]
井上 寛章:1 
[共同演者]
平野 明:1、小倉 薫:1、服部 晃典:1、上村 万里:1、大久保 文恵:1、木下 淳:1、藤林 真理子:2、清水 忠夫:1

1:東京女子医科大学東医療センター 乳腺科、2:東京女子医科大学東医療センター 病理科

 

【背景】乳癌の診断において針生検(CNB)は広く用いられ、特に生物学的特徴は初期治療の決定には欠かせず、その精度は極めて重要である。【目的】今回、当科におけるCNBと手術標本の病理診断を比較しCNBの精度について検討した。【対象】2007年4月から2012年12月の期間にCNBを施行し、手術を施行した乳癌265症例271病変。術前薬物療法施行例は除外した。【方法】CNBはUSガイド下に14ゲージの生検針を用い行った。CNB標本、手術標本における、組織型、ER、PgR、HER2について比較検討した。組織型は非浸潤性乳管癌(DCIS)、浸潤性乳管癌(IDC)、特殊型の3つに分け評価した。ER、PgRの評価は陽性細胞の比率10%以上を陽性とし、HER2はASCO/CAPのガイドラインに遵守しIHC法で、Score 3+を陽性、Score 2+を境界、Score 1+、0を陰性として評価した。Score 2+についてはFISH法を用いHER2/CEP比2.2以上を陽性として追加検討した。【結果】組織型、ER、PgRは271病変が評価可能であった。HER2は222病変で評価可能であった。組織型はCNBでDCISが手術でDCIS 30例、IDC 14例、特殊 0例、IDCは各々 1例、 195例、 7例、特殊型は各々 0例、 1例、 23例、で一致率は全体が91.5%(248/271:κ係数0.78)であった。DCISと診断され、手術標本でIDCと診断されたものが多かった。また特殊型においてはCNBでIDCと診断されていたものが多かった。ERの一致率は97.4%(264/271:κ係数0.95)で、感度、特異度はそれぞれ96.9%、98.1%であった。PgRの一致率は90.8%(248/271:κ係数0.82)で、感度、特異度は89.3%、92.1%であった。HER2のIHC法での一致率は92.8%(206/222:κ係数0.97)で、一致症例はそれぞれScore 3+が16例、Score 2+が7例、Score 1+、0が183例であった。FISH法を用いた陽陰性の一致率は98.2%(218/222:κ係数0.90)で、感度は90.5%、特異度は99.0%であった。【考察・結語】CNBは一部分を採取して全体を評価するため制約を受けることがあるが、一方でホルマリン固定の点では組織片が小さいため均一に浸透するというメリットもある。ER、PgR、HER2においてCNB標本の病理診断は手術標本と比較して高い一致率を認め、初期治療の決定にあたりCNB標本は十分な情報を提供することが証明された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:診断

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