演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科におけるトリプルネガティブ乳癌症例の検討

演題番号 : P40-4

[筆頭演者]
金子 耕司:1 
[共同演者]
佐藤 信昭:1、神林 智寿子:1、橋本 喜文:1、本間 慶一:2

1:新潟県立がんセンター 乳腺外科、2:新潟県立がんセンター 病理部

 

【背景】トリプルネガティブ乳癌(以下TNBC)とはエストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)、HER2(human epidermal growth factor2)のいずれもが陰性とされる乳癌のサブタイプであり、あきらかな治療標的がなく、殺細胞的な化学療法しか適応されず、治療に難渋することが多い。【対象・目的】2009年1月から2012年12月までの当科での手術症例1329例のうち、術前後病理検査にてER陰性、PgR陰性、HER2陰性を確認された126例を対象とし、TNBCの臨床病理学的特徴を探ることを目的とした。【結果】年齢中央値は58.0歳(23-90歳)、閉経前42例(33.6%)、閉経後83例(65.8%)。治療前StageはI:51例(40.4%)、II:61例(48.4%)、III:11例(8.7%)、IV:3例(2.3%)、組織型はsol-tubが71例(56.3%)と最も多く、Ki67 labeling index70%台が最も多く126例中20例、次いで90%台が16例であった。HGIIIは45.2%で増殖能は高いと考えられる症例が多くみられた。術前化学療法を53例(42.0%)に施行、主なレジメンはアンスラサイクリン→タキサンで、臨床的治療効果はcCR:14例(26.4%)、cPR:30例(56.6%)、cSD:5例(9.4%)、cPD:4例(7.5%)。術後補助療化学法を37例に施行。術前後あわせて約7割の症例に薬物療法が施行されていた。再発を20例(17.0%)に認め、再発までの期間の中央値は7.9ヶ月で、主な初再発臓器は肺:8例(40.0%)、脳:5例(25.0%)。再発例の内訳はStageI:51例中2例(3.9%)、II:61例中9例(14.7 %)、III:11例中9例(81.8%)。また術前化学療法施行例53例中14例(26.4%)、術前化学療法未施行の73例中6例(8.2%)に再発を認めた。術前化学療法施行例において再発の時期および化学療法前後でのKi67の変化をみると、Ki67が増加あるいは変化なしの症例の割合は、1年未満の症例では9例7例(77.7%)と高率であった。死亡は10例(50.0%)、再発から死亡までの期間の中央値は8.6ヶ月であった。【考察】術前化学療法を施行後にKi67の低下を認めない症例の予後は悪く、これらの症例に対する治療法の検討が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:その他

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