演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌の腫瘍径の意義

演題番号 : P40-1

[筆頭演者]
筒井 信一:1 
[共同演者]
辻田 英司:1、吉永 敬士:1、濱武 基陽:1、前田 貴司:1、松田 裕之:1、石田 照佳:1

1:広島赤十字原爆病院 外科

 

(目的)乳癌に対する術後補助療法を考える際に、腫瘍径などの病理学的因子、ERやHer2などの治療効果予測因子に加え最近では、Ki-67などの増殖能を評価する因子が考慮される。そのうち、腫瘍径は発見時期に左右されるが、術前の画像診断ならびに手術所見から考え、最初に考慮される因子である。そこで、腫瘍径の意義を他の因子との関連より検討した。(対象と方法)当科で切除した乳癌358例を対象とし、HE標本にて、病理学的浸潤部の腫瘍径、リンパ節転移(n)、リンパ管(ly)・静脈(v)侵襲、核異型を、また、免疫染色にて、ER、PgR、Her2、Ki67、p53を検討した。(結果)乳癌358例を、腫瘍径より、Tis(非浸潤癌:50例)、T1a(0.5mm以下、28例)、T1b(0.6-10mm、64例)、T1c(11-20mm、129例)、T2-4(21mm以上、87例)に分類した。病理学的因子では、腫瘤径別に、nはTis:0/50(0%)、T1a:0/25(0%)、T1b:2/60(3%)、T1c:30/123(24%)、T2-4:52/85(61%)で、LyはTis:0/50(0%)、T1a:2/28(7%)、T1b:34/64(53%)、T1c:111/129(86%)、T2-4:80/87(92%)で、vはTis:5/48(10%)、T1a:3/28(11%)、T1b:2/64(3%)、T1c:32/129(25%)、T2-4:46/87(53%)で、いずれも有意な相関(p<0.0001)を認め、核異型でも有意差(p<0.0001)を認めた。一方、生物学的因子では、 Ki67はTis:8/43(19%)、T1a:2/26(8%)、T1b:12/61(20%)、T1c:56/122(46%)、T2-4:47/84(56%)で、有意差(p<0.0001)を認め、ER(p=0.0174)、p53(p=0.0111)では有意差を認めたが、PgR、Her2では有意差を認めなかった。さらに、多変量解析で、21mm以上と11mm以上に区別される有意な因子を検討すると、21mmではn、vが有意であり、11mmでは、n、ly、v、Ki67が有意な因子であった。(結語)リンパ節転移および静脈侵襲は、腫瘍径とともに多くなる一方、リンパ管侵襲と増殖能(Ki-67)は11mm を境に高値が多くなる傾向を認めた。以上の腫瘍径に関する所見を、乳癌術後補助療法の選択の際、考慮すべきと考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:トランスレーショナルリサーチ

前へ戻る