演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における乳房温存手術症例の検討

演題番号 : P4-14

[筆頭演者]
岡本 康:1 
[共同演者]
柴山 朋子:1、高橋 亜紗子:1、有馬 陽一:1、能戸 保光:1、桐林 孝治:1、西牟田 浩伸:1、石井 智貴:1、榎本 俊行:1、浅井 浩司:1、中村 陽一:1、渡邊 学:1、斉田 芳久:1、草地 信也:1、長尾 二郎:1

1:東邦大学医療センター大橋病院 外科

 

【背景】日本乳癌学会のガイドラインにおいて、乳房温存療法は乳房切除術とのランダム化比較試験で生存率に差がなく、QOLは温存療法で良好であったことより、Stage1・2症例の局所療法として推奨されており、2010年次乳癌登録集計において、乳房温存術は59%に実施されている。当院では1990年より乳房温存術を開始し、2012年12月までに473例を経験した。開始当初はT1、T2(~3cm)症例に対するBqが多く、徐々に適応を拡大し、T3症例に対しても無理のない範囲で温存手術を施行している。温存率も2007年には78.2%にまで増加したが、近年は50%台で推移している。また、早期乳癌に対する乳房温存術は、乳房切除術よりも生存率の面で優れている可能性が最近報告されている。【目的】当院で治療した乳房温存手術症例の成績を検討。【対象および方法】当院において手術を施行したstage 1・2の乳房温存手術症例297例を対象にその臨床病理学的背景および予後の検討を後方視的に行った。腋窩非郭清・術前治療・同時両側・異時両側第2癌・Stage 4・消息不明例を除外した。また、乳房温存手術症例の生存率・無再発生存率は、同時期に施行した329例の乳房切除術例と比較した。【結果】年齢(中央値)は、24~87歳(59歳)。観察期間中央値は、76ヵ月。組織型は、浸潤癌 270例、特殊型 27例で、切除範囲は、Bp 232例、Bq 65例、郭清範囲は、SLN・サンプリング 105例、Level 1以上 192例で、37例は術後非照射であった。術後断端陽性(5mm以内)例は、54例で断端陽性率18.2%であった。発生イベントは、局所再発 9例(3%)(リンパ節:8例、皮膚:1例)、乳房内再発11例(3.7%)、対側乳癌 6例(2%)、遠隔再発 7例(2.4%)で、他病死は11例に認めた。乳房内再発は断端陽性では認めなかったが、多変量解析ではlyの有無が有意な因子であった。温存症例の全生存率は、5年 95.5%、10年 89.5%、15年 85.3%、無再発生存率は、5年 90.1%、10年 80.6%、15年 69.9%。一方、乳房切除症例の全生存率は、5年 89.4%、10年 79.9%、15年 71%、無再発生存率は、5年 80.2%、10年 72.5%、15年 63.4%で、温存症例の方が予後良好であった。【結語】stage2までの浸潤性乳癌において乳房温存療法の予後は、乳房切除術よりも良好である可能性が示唆された。本検討は観察研究であり、観察期間の短い症例も含んでいるため、今後さらなる長期の経過観察が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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