演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における乳房部分切除断端陽性例の実際と、対策・効果 

演題番号 : P4-12

[筆頭演者]
宮本 健志:1 
[共同演者]
柳田 康弘:1、藤澤 知巳:1、竹内 浩司:2、桑野 博行:3

1:群馬県立がんセ 乳腺科、2:群馬県立がんセ 検査科、3:群馬大院 病態総合外科

 

【はじめに】乳癌における乳房部分切除施行の際には、surgical marginをいかに安全に確保するかが重要である。当院におけるこの10年間の乳房部分切除症例(術前治療実施例も含む)の断端陽性 (切除縁から5mm以内の癌の存在) 症例について検討し、その成績、課題などについて検討する。【方法】当院で乳房部分切除を受けた患者を、切除範囲を主に触診中心に決定していた前半5年(355例)と、エコーを活用した後半5年間(550例)に分け、断端陽性の詳細、断端陽性例に対しての追加治療、局所・遠隔転移を含めた治療成績を検討した。【結果】前半の断端陽性は66例(18.6%)、後半は118例(21.5%)であった。断端陽性例をA;断端に浸潤癌の露出、B;断端5mm以内の浸潤癌の存在、C;断端に乳管内成分の露出、D;断端5mm以内の乳管内成分の存在の4群に分けると、前半はA:B:C:D=2:10:12:29で後半は9:32:22:56であった。術前治療の有無により、断端陽性率が影響を受けることはなかった。追加切除は、前半4例(A:C=1:3)、後半15例(A:B=7:8)で行われた。断端陽性例への乳房照射はほとんどすべてで50Gy+boost 10Gyである。前半、後半とも乳房内のみの再発は1例ずつで、遠隔転移は各々5例、2例であった。【考察】エコーの導入で腫瘍縁のより精密な情報が得られ、断端陽性率が低下すると予測されたが、実際には同等の結果であった。適切なマーキングにより乳腺の切除範囲が小さくなったこと、非浸潤癌の増加で、画像で描出困難な広がりを持つ症例が増えたことなどが要因として考えられる。浸潤癌の露出例は追加切除により断端陰性を目指すが、それ以外の陽性例は、boost照射の追加により対応しているが、前半の症例での経過観察期間が5年を超えたものの陰性例と遜色ない結果であった。【結語】エコー下マーキングにより浸潤癌の範囲を適切に評価、volumeとmarginのバランスのとれた部分切除を実施し、浸潤部分での露出なしをめざし、乳管内成分の断端陽性はboostを含めた照射に委ねることは、乳癌治療の質を下げていないことが示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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