演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳がん臨床ゲノム解析:次世代シークエンサー解析による治療成績の向上をめざして

演題番号 : P4-5

[筆頭演者]
吉井 淳:1 
[共同演者]
山本 尚人:1、中村 力也:1、味八木 寿子:1、岩瀬 敏明:1、永瀬 浩喜:2、伊丹 真紀子:3、景山 肇:2、丸 善明:2、横井 左奈:2、大平 美紀:2、中村 友紀:2

1:千葉県がんセンター 乳腺外科、2:千葉県がんセンター 研究局、3:千葉県がんセンター 臨床病理部

 

 現在の乳癌薬物療法選択においてsubtype分類が重要であるが、薬剤の効果予測に対してはそれだけでは不十分であり、特にTriple negative乳癌に対する化学療法感受性の予測は今後の重要な課題である。 次世代シークエンス技術とその周辺技術の進歩は、がんゲノムのシークエンス情報を実際のがんの臨床に応用することを可能としている。実際欧米の先進施設ではキャンサーボードの中で既に遺伝子配列解析が応用されている。我々は、乳がんの臨床に応用するため、超マルチプレックスのPCR技術と半導体シークエンス技術を応用することで、400以上の標的遺伝子を一度に解析でき、しかもパラフィン標本(FFPE)からもスタートできる少量のDNA(数十ナノグラム)で、数千回のゲノムカバレッジを短時間で検討できる比較的安価なゲノムシークエンスプラットフォームを構築している。すなわち、Ion Trent Proton半導体シークエンサーを利用し、Ion AmpliSeq と Comprehensive Cancer Panelを使用することで、FFPEおよび凍結サンプルからのがんおよび正常ゲノムの解読・解析を可能とした。凍結サンプルからの予備実験では、平均95.4%以上の解析領域が平均2514回の読み取り解析が可能であった。しかしFFPEサンプルでは、平均読み取り回数は3962回であったが91.1%の解析領域しか良好な解析が得られなかった。FFPEでは増幅領域が長い領域での解読が困難であったが、既存の多くの遺伝子変異が存在するホットスポット領域に限るとFFPEでも95%以上と良好な解析が得られていた。この結果より、FFPEサンプル保存状況や病理所見、治療の影響、さらにDNA調整、マルチプレックスPCR、次世代シークエンスのプロトコールの条件等をさらに検討を加えればFFPEサンプルでも十分解析可能と判断し、さらに症例数を増やして検討を行っている。 本法でのゲノム解析結果と臨床経過との対比により、治療反応性や予後等の指標になる遺伝子変異が明らかになれば、個別化したテーラーメード治療が可能になると期待される。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:ゲノム・遺伝子

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