演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科での妊娠関連乳癌症例の検討

演題番号 : P4-2

[筆頭演者]
森本 雅美:1 
[共同演者]
中川 美砂子:1、武知 浩和:1、田所 由紀子:1、丹黒 章:1

1:徳島大学病院 胸部内分泌腫瘍外科

 

妊娠関連乳癌(Pregnancy-associated breast cancer、以下PABC)とは、妊娠中および出産後2年以内に診断された乳癌のことである。欧米と同様に本邦でも出産年齢が高くなっているため、PABCの発生率は増加傾向にあるといわれている。PABCは非PABCと比較すると、腫瘍径が大きく、リンパ節転移陽性、遠隔転移陽性、脈管侵襲陽性の傾向が強いと報告されている。原因として、妊娠あるいは授乳中は乳腺組織の変化のため乳房腫瘤に気づきにくいことから受診機会を逸してしまい、診断が遅れることが考えられる。また、妊娠期のPABCでは妊娠継続と治療の間での葛藤により治療開始が遅れることや、積極的な治療に至らないことが多いため、予後が悪いことも報告されている。当科において2008年5月から2013年4月に6例のPABCを経験した。年齢平均は33.2歳(23-40歳)。中央観察期間は14.5か月。発見契機は全例乳房腫瘤の自覚であり、1例は妊娠中、3例は授乳中、2例は断乳1か月後に腫瘤を自覚した。3例に乳癌の家族歴がみられた。初診時の原発巣の平均腫瘍径は39.8mmであった。2例に鎖骨上リンパ節転移(N3c)、1例に傍胸骨リンパ節転移(N3b)、1例に鎖骨下リンパ節転移(N3a)、2例に同側腋窩リンパ節転移(N1)を認め、全例がリンパ節転移を伴っていた。また1例は肝転移、1例は肺転移を伴っていた。サブタイプはLuminal HER2 2例、HER2 1例、トリプルネガティブ 3例であった。核グレードはGrade3が2例、Grade2が3例、Grade1が1例で、2例に脈管侵襲を認めた。当科でのPABC症例も、妊娠あるいは授乳中の乳腺の変化のため乳房腫瘤の自覚が遅れ、全例がリンパ節転移を有する進行癌であった。当科で経験したPABC 6例について若干の文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:その他

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