演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

頭頸部外科手術における手術器具選択及び手術操作改良の有用性

演題番号 : P38-11

[筆頭演者]
古川 まどか:1 
[共同演者]
久保田 彰:1、木谷 洋輔:1、佐藤 要:1、古川 政樹:2

1:神奈川県立がんセンター  頭頸部外科、2:横浜市立大学附属市民総合医療センター 医療情報部

 

(目的)頭頸部癌の手術治療は、主に原発巣切除、頸部郭清術及び再建術の組み合わせで行うことが多く、現在その標準化が整いつつある。有効な頭頸部手術をいかに非侵襲的に行い、機能障害なく良好な治療結果を得るかが、現在の重要課題といえる。当科での手術症例を対象とし、歴史的に外科手術に用いられてきた手術器具、および、近年新たに頻用されるようになったエナジーデバイスの、頭頸部外科手術における有用性について検討を行った。(対象)当科が開設された1986年以降の手術症例のうち、時代によって手術術式に変化が少なく比較しやすい、定型的な喉頭全摘出術及び、再建術を伴う下咽頭喉頭頸部食道摘出術を施行した症例において、時代的な流れの中で主として使用した手術道具と、手術時間、出血量及び輸血量の違いに関して比較してみた。(結果)メス、電気メス、剪刀による鋭的切離が主体であった1986年から1991年までの手術症例では、喉頭全摘出術15症例の平均手術時間が4時間47分、平均出血量が558ml、平均輸血量が553ml、下咽頭喉頭頸部食道摘出術の17例では平均手術時間10時間10分、平均出血量が2250ml、平均輸血量が2440mlであった。1992年以降は、輸血合併症の回避や、死腔への血液貯留がMRSA感染を引き起こしたことなどから、出血量を抑えることを目的にモスキートペアンを用いた剥離と結紮、バイポーラーによる凝固切開を主体とした手術方法に切り替えた。この1992年以降の手術症例では、喉頭全摘出術79症例の平均手術時間が5時間56分、平均出血量が160ml、下咽頭喉頭頸部食道摘出術39症例では平均手術時間11時間25分、平均出血量417mlで、ほとんどの症例で輸血を要さなかった。さらに2011年以降は新たなエナジーデバイスを導入しており、まだ症例数は少ないが手術時間をより短縮させ、出血量をさらに少なくできるとともに、人手が少なくても効率よく手術が進行できる傾向が見られている。(結論)頭頸部外科手術では、術前治療の有無や、全身状態及び合併症の有無など様々な要素およびコストパフォーマンスを考慮し、適切な手術器具を選択することで、手術の有用性と安全性を向上できる可能性があると思われた。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:手術療法

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