演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

照射後再発声門癌に対する垂直部分切除術

演題番号 : P38-8

[筆頭演者]
大月 直樹:1 
[共同演者]
丹生 健一:1

1:神戸大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野

 

【はじめに】喉頭癌に対する喉頭温存は経口的切除、外切開による部分切除、亜全摘などの外科的治療と放射線治療、化学放射線療法の非外科的治療がある。近年、放射線治療を主体とした治療が多く行われるようになり、その適応拡大に伴い再発例を経験することも少なくない。当科では放射線治療後に前連合を含め主に声帯に再発した症例に対して垂直部分切除術による喉頭温存をはかってきた。今回我々は照射後再発声門癌に対して垂直部分切除を行った症例を対象にその適応および問題点を明らかにする目的で術後再発および術後合併症、術後機能について検討したので報告する。【対象と方法】当科での基本術式はS字皮膚切開を用い腫瘍切除後に頸部皮膚を残存喉頭粘膜に縫着し、喉頭皮膚瘻を作成、3〜6カ月後に二期的閉鎖を行う方法である。2003年2月から2012年1月までの8年間に本術式を行った照射後再発声門癌症例は23例であった。症例は男性22例、女性1例、年齢は48〜84歳(中央値68歳)であった。初診時T分類はT1a、T1b、T2、T3がそれぞれ7例、7例、7例、2例で、初回治療は通常照射14例、多分割照射7例、化学放射線同時併用療法2例であった。局所制御率および生存率、術後合併症、経口摂取までの期間、入院期間を検討するとともに、術後機能を自覚的評価としてVHI-10によるアンケート調査、PSS-HNS評価表による音声・嚥下機能評価および他覚的評価としてMPT(最大発声持続時間)を検討した。【結果】23例のうち1例に原発巣および頸部再発を認め、喉頭全摘出術と頸部郭清術を施行した。原病死した症例はなく、3例が他因死した。術後合併症は10例(44%)に認め、喉頭浮腫の2例に気管切開、軟骨壊死の1例ではDP皮弁による喉頭皮膚瘻を要した。術後経口摂取までの期間は7〜110日(中央値14日)、入院期間は13〜135日(中央値30日)であった。VHI-10は0〜28(平均15)MPTは2.3〜13.4秒(平均6.7秒)で全例普通食の摂取が可能であった。【考察】照射後再発声門癌に対する垂直部分切除術は創部感染や小瘻孔の合併症があるものの多くは保存的治療で対応可能であり、腫瘍の制御も良好であった。本術式は高齢者に対しても安全に行える方法であり、術後嚥下機能は良好であった。しかし、音声機能は声門閉鎖不全による気息性嗄声が認められ、最大発声持続時間の短縮が認められた。今後は垂直部分切除術の術後音声の改善するための工夫が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:手術療法

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