演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

頭頸部原発の非上皮系悪性腫瘍に対する手術症例の検討

演題番号 : P38-5

[筆頭演者]
吉本 世一:1 
[共同演者]
松本 文彦:1、野村 務:1、槙 大輔:1、岸下 定弘:1

1:国立がん研究センター中央病院

 

頭頸部原発の非上皮系悪性腫瘍は、頻度は少ない故に標準的治療が確立されておらず、予後も良好とは言えない現状にある。当科において手術治療を行った症例をretrospectiveに検討したので報告する。対象は2008年1月から2012年10月までに当科に初診となった29例で、原発巣は鼻腔が11例、篩骨洞が1例、上顎洞が5例、上歯肉が1例、下顎骨が4例、咀嚼筋が2例、咽頭が2例、頸部が3例であった。病理組織は、横紋筋肉腫が13例(胎児型3例、胞巣型9例、分類困難1例)、他の肉腫が8例、悪性黒色腫が8例であった。年齢・性別は肉腫全体では8~69歳(男性10例・女性11例)、悪性黒色腫では66~77歳(男性3例・女性5例)であった。治療方針は、小児や横紋筋肉腫など化学療法の効果が期待できる腫瘍には導入化学療法から開始し、その反応に応じて手術を考慮したが、悪性黒色腫など化学療法の効果が期待できない腫瘍は手術を先行している。手術の際は、根治性と術後の機能・整容面を考慮して術式を決定した。術後は摘出標本の病理学的診断を参考に術後照射を検討し、化学療法の感受性のあるものは補助化学療法も施行した。結果として、横紋筋肉腫13例とその他の肉腫3例を含む全16例が導入化学療法を受けたが、半数の8例が著効したために初診時に想定した切除範囲を縮小して手術を行い、術後照射を受けた。このうち1例が担癌生存、1例が死亡したが、全例局所制御されていた。化学療法の効果があったものの初診時に想定した切除範囲を縮小できなかった残りの8例では、非担癌生存は4例にとどまり、3例で局所制御ができていなかった。化学療法の効果が期待できないと考え手術を先行した肉腫の残りの5例では、病理学的に悪性度の低い3例が生存した。悪性黒色腫8例では、手術(必要により術後照射)により局所制御が6例で可能であったが、そのうち半数に遠隔転移が生じていた。以上より、頭頸部では非上皮系悪性腫瘍においても手術治療が一定の役割を示すと考えられ、病理学的診断や集学的治療の中で術式の決定を行うべきと考えられた。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:手術療法

前へ戻る