演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科における原発不明頸部転移癌症例の臨床的検討

演題番号 : P38-4

[筆頭演者]
上田 征吾:1 
[共同演者]
高原 幹:1、國部 勇:1、片田 彰博:1、林 達哉:1、原渕 保明:1

1:旭川医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

 

原発不明癌は狭義には死後剖検を行っても原発部位が不明な転移性癌症例と定義されるが、広義には初回治療開始時に原発巣を確認できなかった症例とすることが一般的である。そのうち原発不明頸部転移癌は、頭頸部癌症例の1~5%を占め、頭頸部を含めた原発巣が同定されずに治療を開始せざるをえない症例を経験することも稀ではなく、その対応に苦慮することが間々ある。当科では1992年から2012年の20年間に23例の原発不明頸部転移癌症例を経験した。観察期間は8ヶ月から120ヶ月、中央値は36.5ヶ月であった。内訳は男性20例、女性3例と圧倒的に男性に多く、男性の年齢は37歳から82歳と幅広い年齢層に認め、中央値は67歳、女性の年齢はそれぞれ36歳、63歳、73歳であった。患側扁桃摘出も含めた盲目的生検は18例に施行した。23例中、死亡時もしくは経過観察を行っている現在までに原発巣が依然不明なものは14例であったが、入院治療中もしくは治療後外来経過観察中に原発巣が判明、もしくは疑われる部位が見つかったものが9例存在した。その内訳は扁桃が4例、舌根が2例、下咽頭2例、声門下が1例であった。治療は頸部郭清術を17例に施行。その内術後照射を7例に施行した。深頸筋膜や内頸動脈浸潤のため頸部郭清術を行えなかった6例については放射線化学療法を5例(その内3例に超選択的動注化学療法)ならびに化学療法単独を1例に施行した。組織型は扁平上皮癌が22例で腺癌を1例に認めた。経過観察中、原病死したものは10例で、無病生存が12例、他病死が1例であった。当科では原発不明頸部転移癌に対して、生検による病理組織型の確定と同時に、視触診、ファイバースコープ検査など耳鼻咽喉科的検査に加えて、各種画像検査(特に最近ではPET-CT)、上部下部消化管、呼吸器の精査、扁桃、舌根、上咽頭、下咽頭頸部食道等の生検を行い原発巣発見に努めている。治療は組織型を確認した後、その進展、患者の全身状態に応じて、頸部郭清術を基本とし術後放射線療法、化学療法を行うことも考慮してきた。当科の症例に文献的考察を加え、原発不明頸部転移癌の診断、治療法について検討する。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:集学的治療

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