演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がんサポート外来による終末期在宅療養生活の可能性とPCU有効利用に関する成果と課題

演題番号 : P34-10

[筆頭演者]
近藤 恵子:1,2 
[共同演者]
尾野 肖子:3、神代 正臣:1,3、村上 聡一郎:1,4、瀧井 康:1,5、杉原 徹哉:1,6、内山 明彦:4,7、水島 明:7

1:九州厚生年金病院 がんサポート外来、2:がん看護専門室、3:緩和ケア病棟(PCU)、4:外科、5:腫瘍内科、6:薬剤部、7:がんサポートセンター

 

【はじめに】当院は、緩和ケア病棟(14床:以下、PCU)を有する急性期地域基幹病院である。診断・治療期~終末期に亘る、がん医療の提供が可能な体制を活かし、従来の緩和ケア専門家による緩和ケア外来の機能を見直し、外来患者に対する「がんサポート外来(以下、サポート外来)」を2012年度より新設した。当外来は10診療枠/週を設け、早期からの緩和ケアとPCUへのシームレスな療養移行をめざし、緩和ケア専門家に腫瘍外科・内科医を加えた医師3名、がん看護専門看護師(以下、OCNS)、薬剤師による体制をとった。当外来開設により、外来がん患者に対する終末期在宅療養生活の継続と病状悪化時の対応における一定の成果を得たので報告する。【結果】サポート外来には年間43名が紹介され、36名(84%)が外来診療過程を通してPCU入院の適応が評価された。うち17名がサポート外来を経てPCUで最期を迎えた。17名に対するサポート外来は、17名中9名は治療期から対応していたOCNSを介して、他8名は治療中止時に主治医から紹介された。終末期中期には、電話相談や在宅医療福祉機関との連携を強化し、患者の状況をPCU側に随時報告した。同サポート期間は16日~555日(平均178日)であった。これらのサポート体制により、17名中13名がサポート外来から直接、他4名が一般病棟を介し3日以内にPCU入院となった。PCU全体の平均在院日数は24.3(1~222日)であり、17名のPCU在院平均日数は14.8日(2~29日)であった。【考察】終末期がん患者が、可能な限り在宅療養生活を希望する場合、サポート外来を有効に活用する必要がある。そのためにはOCNSが窓口となり、患者・家族の心身ならびに生活状況を評価し、サポート調整を行うことが鍵となる。その結果として、終末期在宅療養生活期間の延長ならびにPCU在院期間の短縮に繋がり、患者・家族のQOLのみならず、病床稼働や、PCU側においても幅広い病床利用目的が確保されるという成果を得た。また、終末期の病状悪化時に、これまで一般病棟を介してPCU入院、もしくはPCU入院を待たずに一般病棟で永眠していた患者への緊急対応についての可能性を示した。一方で、対応する医療者のマンパワーと後方病床の確保という課題を残した。【結語】PCUを有する地域基幹病院におけるがんサポート体制の一つのあり方の示唆を得た。

キーワード

臓器別:その他

手法別:チーム医療

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