演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

外来がん化学療法における副作用及び疼痛管理における薬剤師介入の意義

演題番号 : P34-9

[筆頭演者]
若杉 吉宣:1 
[共同演者]
森井 博朗:1、須藤 正朝:1、阪中 美紀:1、野田 哲史:1、薮田 直希:1、三上 貴子:2、河合 由紀:3、目片 英治:3、寺田 智祐:1

1:滋賀医科大学医学部附属病院 薬剤部、2:滋賀医科大学医学部附属病院 看護部、3:滋賀医科大学医学部附属病院 腫瘍センター

 

【目的】近年がん化学療法は入院から外来にシフトし、抗がん剤の副作用への対応がより重要視されるようになってきている。チーム医療の中で、薬剤師は副作用の軽減や早期発見などにより安全な医療を提供することが期待されている。当院では化学療法室にて外来がん化学療法を施行される全患者に対して、薬剤師が服薬指導や薬物療法の提案を行っている。今回、薬剤師が行った薬物療法の提案について、Grade評価を用いてその意義を検討した。【方法】2011年10月から2012年10月に、当院化学療法室にてがん化学療法を受け、薬剤師が薬物療法の提案を行った事例331件を対象とした。副作用のGrade評価はCTCAE ver.4.0を使用した。また、がん性疼痛はFace Scale (以下、FS) を用いて評価した。薬剤師の提案前後のGradeやFSを比較しその改善率を調査した。統計解析は、対応のあるWilcoxon検定を用いた。調査項目は、2011年4月から2011年8月までに訴えの多かった14項目とした。また、GradeやFSが薬剤師の提案前後で不変の場合、自覚症状の改善の有無についても調査した。【結果・考察】調査期間に化学療法室にて外来がん化学療法は3444件施行された。そのうち薬剤師が提案した件数は331件であり、医師が採用した提案は317件 (95.8%) であった。その中でGradeとFSとを併せた改善件数は135件、改善率は50.8%であり、薬剤師の介入後に有意に改善が認められた (p<0.05) 。また、Grade評価とFS評価では不変でも自覚症状の改善が認められた事例が50件 (15.8%) あった。自覚症状の改善を含めた改善率は69.5%であり、約3分の2の案件について薬剤師が介入することによって症状の改善が得られた。しかし、味覚障害、末梢神経障害はGradeの改善率は低値であるため、支持療法について再検討や、効果とのバランスを考えながら、原因薬剤の減量および中止など支持療法以外の対処法を考慮する必要がある。今回得られた結果から、薬剤師は外来でがん化学療法に介入することにより、効果的な副作用管理、疼痛管理を行えると考える。その結果、医師の診療をサポートし、より安全な薬物療法の構築が可能になるのではないかと考えられる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:チーム医療

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