演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん治療向上に向けた保険調剤薬局との問題解決型薬薬連携ネットワーク構築への取組み

演題番号 : P34-5

[筆頭演者]
高山 慎司:1 
[共同演者]
津田 泰正:1、石丸 博雅:1、川名 賢一郎:1、佐藤 直子:2、柏崎 まゆみ:3、市原 恵子:4、鈴木 秀統:5、菅野 直樹:6、後藤 一美:1

1:聖路加国際病院薬、2:望星築地薬局、3:かちどき薬局、4:加健調剤薬局、5:仁生堂薬局、6:エスエルファーマシー

 

【背景・目的】近年、行政、学術団体、各医療施設等が様々なプランやビジョンを掲げ、薬薬連携の充実を図る取り組みを行っている。2008年度の診療報酬改定では「退院時共同指導料」が制定され、2013年には日本薬剤師会は「薬剤師の将来ビジョン」を策定した。特にがん治療の場合、患者情報やレジメン等の情報共有のために連携が重要とされる。実際、過去の演者らの保険調剤薬局(以下、薬局)への調査で、抗がん剤の調剤や服薬指導に不安や疑問を抱くケースが多く、がん治療に対する知識向上のため勉強会開催を求める意見が多かった。しかし、漠然とした疑問を勉強会のみで解決することは難しく、臨床現場に還元できないと予想される。そこで、がん治療に対する疑問や問題点を当院と薬局とが協同で明確化し、その解決を図る目的で問題解決プログラムとして勉強会を開催した。今回は本取組みの有用性について評価したので報告する。【方法】2011年7月および8月に「がん診療連携における問題解決ワ-クショップ(以下、WS)」を開催し、がん治療における問題点の抽出を行った。明確にされた問題点に対し2012年に「薬薬連携がん勉強会」を隔月で全6回開催した。内容は、総論、大腸癌、乳癌、胃癌、肺癌、緩和ケア領域とし、講師は当院および薬局より1名ずつ毎回双方より選出した。各会で参加者に対し問題解決度等について選択方式のアンケートを実施した。得られた結果はMann-Whitney U testにて解析した。【結果】WSは当院および5施設の薬局から計21名の参加者があり、薬局の問題点として「情報不足とがん治療に関する知識不足」であることが抽出された。問題解決プログラム全6回ののべ参加者は264名(当院135名、薬局129名)であった。全6回の勉強会における「あなたの疑問は解決しましたか?」の質問に対して、「解決した」という回答率は、初回16.0%から毎回漸増し第6回で73.3%となり(R2=0.9842)、WS参加者と非参加者とでは回答結果に差がみられた(p=0.039)。【考察】薬局では情報不足の状況で抗がん剤の調剤を行っている上、かつ知識不足が最大の課題であることがWSにて明示された。WSにて問題点を明確にし、そこにクローズアップした問題解決プログラムでは、薬局におけるがん治療への疑問解決に大きく寄与したものと考える。したがって、本取組みは安全で効果的ながん治療を地域全般で支えるために有用であったと考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:地域連携

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