演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

S-1とワルファリン併用時の在宅PT-INR自己測定と共同薬物治療管理の試み

演題番号 : P34-1

[筆頭演者]
矢野 亨治:1 
[共同演者]
山村 恵子:2、西川 佐紀子:2、重野 克郎:3、日比 陽子:1、横山 雄一:1、石塚 雅子:1、宮川 泰宏:1、久米 初枝:1、大野 栄三郎:4、平敷 安希博:5、後藤 秀実:4、室原 豊明:5、山田 清文:1

1:名古屋大病薬、2:愛知学院大薬、3:木沢記念病薬、4:名古屋大病消化器内、5:名古屋大病循環内

 

【目的】ワルファリン(WF)と経口抗がん剤S-1を併用する場合、PT-INR値上昇が危惧されるため、WF服用患者は、「有効ながん化学療法をあきらめる」または 「不安を持ちながら治療する」だけでなく、脳出血などが発症すれば後遺症を残すことになる。今回、我々は、WFとS-1併用患者のがん化学療法および抗凝固療法支援を目的とし、患者が在宅PT-INR自己測定値などをインターネット経由で報告し、その結果を薬剤師が医師と共同で作成したプロトコールに基づき評価する薬剤師管理型薬物療法支援システムを構築したので報告する。【方法】1)薬剤師は、服薬指導およびPT-INRの自己測定方法、Webサイトの利用方法を説明する。2)患者は、決められた日にPT-INR値を測定しWebサイトで報告する。3)薬剤師は、Webサイト経由でPT-INR値を入手し評価する。プロトコールから逸脱した場合は、医師に確認し、WF服用量を変更する場合は、Webサイト経由で患者に指示する。【結果】対象患者: CABG施行後の胆管癌患者 59歳 男性, 開始時のWF服用量: 1.5mg/日, PT-INR治療域: 1.5-2.0, GEM療法を施行したがPDとなったためS-1療法導入となった。S-1の服用期間と休薬期間: 4週服用後2週休薬を1クールとした。併用開始17日後にPT-INR値が1.6から2.3に上昇した。薬剤師は、医師からPT-INR値2.7まで経過観察と指示を受けた。24日後、PT-INR値2.8に上昇し、医師より1mg/日に減量の指示を受け、患者に連絡した。29日目からS-1を2週間休薬としたが、2クール目開始時のPT-INR値は、2.4であった。以後、プロトコールを改定しながら、6コース施行した。開始時1.5mg/日であったWF服用量は、1.0 - 0.5mg/日を推移し、その約70%が1.0 mg/日であった。また、全期間のTime in Therapeutic Range は、約90%であった。本研究に起因する副作用は認めなかった。【考察】本システムの活用により、WF服用患者が、安全に外来がん化学療法と抗凝固療法を施行できる可能性が示唆された。さらに、出血や血栓症などの副作用の予防が可能となるため、医療費の削減につながると考える。 今後、他のWFと相互作用を持つ薬物の併用時にも本システムを活用し、病院および薬局薬剤師による安全な抗凝固療法支援が望まれる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:チーム医療

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