演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

温熱併用化学放射線療法を行った軟部肉腫の中期成績

演題番号 : P30-12

[筆頭演者]
嶋田 博文:1 
[共同演者]
横内 雅博:1、永野 聡:1、佐々木 裕美:1、瀬戸口 啓夫:2、有島 善也:1、石堂 康弘:1、平木 嘉幸:3、小宮 節郎:1

1:鹿児島大院整形、2:鹿児島大院近未来運動器医療、3:鹿児島大院放射線診断治療

 

【背景】高悪性度軟部肉腫に対する外科的治療としては広範切除縁を確保することが原則とされる.しかし軟部肉腫は体幹・四肢の深部に発生し無痛であることが多いために、初診時すでに安全な切除縁の確保が困難な症例や、機能的な患肢温存が困難な症例に遭遇することはまれではない。 我々の施設ではこのような症例に対し、術前のより強力な局所制御を期待して,大塚らにより報告された温熱療法併用の化学放射線療法(Radio-Hyperthermo-Chemotherapy : 以下RHC)を施行してきた.【目的】軟部肉腫に対するRHCの有効性・問題点について、その臨床経過について中期成績を検討すること.【対象と方法】2004 - 2012年の期間に当科においてRHCを施行した25例を対象とした.平均観察期間は6年2か月で、内訳は男性12例、女性13例,年齢は18~69(平均45)歳であった.初発18例,再発7例で,原疾患の内訳は粘液型脂肪肉腫7例,MFH5例,滑膜肉腫3例,MPNST2例,その他8例であった.RHCは同時併用化学放射線療法に温熱療法を併用し,腫瘍内温度は42.5度,60分を目標とし,週に1度計5回施行した.放射線との併用では,一日の順序は放射線→温熱化学療法とした.【結果】25症例中,予定の5コースを完遂できた症例は19例であり,完遂率は76%,MRI画像評価はPR6例,NC16例,PD3例であった.摘出術が行われた19例の組織学的奏効率は,grade3:3例,grade2:6例,grade1:5例,grade0:5例であり,grade2以上を奏効とすると,奏効率47%であった.転帰は,CDF10例、AWD2例,NED1例,DOD12例であった.【考察】高悪性度軟部肉腫に対するRHCの有効性は局所コントロール率95%、5年生存率84%という結果であり、過去の報告には及ばなかった。これはひとつには温熱施行時の腫瘍内温度の厳密な維持が困難であったことに起因する可能性が考えられた。また,組織学的にmyxoid componentを含む群の治療効果が高いとも報告されており、原疾患の組織型についての適応を厳密にすることが必要かもしれない.過去の報告よりも生存率が低かったことに関しては、我々の施設では体幹発生症例や、腫瘍が重要な神経血管束に接している症例など、局所コントロールが困難なhighrisk症例に対してのみ術前RHCを施行していることによると思われる。RHCは良好な局所制御率を有すると考えられるが、有害事象・合併症など施行上の問題点を含め文献的考察を加え報告する。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:集学的治療

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